こんにちは、屋根修理と外壁修理のプロ集団・ゼファンです。
築30年以上の屋根瓦自宅にお住まいの方は、すでに屋根の葺き替え工事の時期が来ている場合があります。
それでは、屋根の耐用年数(建物に対して法的に定められた年数)は何が決めるのか疑問に思われた方もいらっしゃるとおもいます。
本記事では、屋根瓦から葺き替え工事のタイミングを徹底的に解説します。
また施工例の多い3パターンについて葺き替え後の屋根材別にメリット・デメリットをご紹介します。
また屋根瓦葺き替え工事にかかる費用目安と工事期間、事例もあわせてご紹介します。
屋根瓦の葺き替え工事を専門業者に依頼する前に、基礎的な知識をしっかり身につけて、葺き替え工事を行ったあとに後悔しないようにしましょう。
屋根瓦の種類
実は屋根瓦の種類によっても耐用年数が変わってきます。
ここでは、屋根瓦の種類と耐用年数をご紹介します。
和瓦(粘土瓦)
和瓦(粘土瓦)は、古くから日本の屋根材として利用されてきました。
耐用年数は、屋根材の中ではもっとも長く、50年~100年です。
しかし、何もしなくてよいというわけではなく、メンテナンス時期としては、20年~30年とされています。
とはいえメンテナンスのスパンが非常に長いため、一番環境に優しい屋根材とされています。
釉薬瓦(陶器瓦)
釉薬瓦(陶器瓦)は、粘土を成型したあとにガラス質の釉薬(うわぐすり)を塗布して焼成(焼き固める)した瓦のことです。
耐用年数は、半永久的ともいわれメンテナンスを必要としません。
耐久性に優れ、色あせなどの劣化がしにくく立体感のある美麗な景観を長く楽しめるでしょう。
ただし、漆喰部分や下地の防水シートは劣化するため、定期的な点検は必要になります。
洋瓦(粘土瓦)
洋瓦(粘土瓦)の耐用年数は、40年~50年とされています。
洋瓦には2種類の様式があり、フランス式の「F形」やスペイン式の「S形」です。洋瓦でもっとも使用されているのは、F形の平板になります。
ストレートな平らのデザインが特徴です。部分的にわざと凹凸を出すことで、アクセントを加えている形状もあります。
一方で、S形は凹凸が明確にあるため存在感のある屋根です。
こちらは施工難度が高いため、F形に比べて施工期間・費用がかかります。
こだわりの屋根にしたい方にはおすすめの屋根材です。
無釉薬瓦(いぶし瓦・素焼き瓦など)
無釉薬瓦は、釉薬を塗らずに焼成する瓦です。お城や寺社でよく使用されています。
耐用年数は30年~60年となっています。
経年劣化によっては表面の炭素被膜が剥がれると、
耐水性や色あせが生じるために補修が必要になります。
セメント瓦・モニエル瓦(コンクリート瓦)
セメント瓦やモニエル瓦(コンクリート瓦)は、セメントを瓦の形に成型した屋根材です。
耐用年数は、和瓦に比べて短く20年~40年となっています。
原料がセメントのため、和瓦にくらべて安価ですが、塗装が剥げることが問題になります。そのため、10~20年で塗装直しを行う必要があります。
またセメント瓦とモニエル瓦では、適した塗装方法が異なるので専門業者にメンテナンスを依頼する際には注意が必要です。
セメント瓦とモニエル瓦の見分け方は、小口の面が平らであればセメント瓦、凹凸があるものがモニエル瓦となります。
屋根瓦の葺き替えのタイミング
屋根瓦の葺き替え工事のタイミングは、屋根瓦の状態から判断します。
また下地の防水シートや野地板にも耐用年数があります。
どの種類の屋根の修繕工事であっても、下地が劣化している場合は葺き替え工事となります。
屋根の状態で葺き替えのタイミングを知る
下記の1から5の順で、葺き替え工事の必要性が増していきます。
- 瓦にコケ・藻
- 瓦の割れやズレ
- 漆喰が剥がれている
- 瓦の抜け落ち
- 屋根のたわみやゆがみ
- 雨漏り
特に5, 6が見て取れる場合は、すぐに専門業者に相談しましょう。
また屋根だけでなく、内部の劣化状況によっても工事内容は変わります。
例えば、3, 4の場合であっても瓦の差替えではなく、葺き替え工事になることもあります。
メンテナンスを行ってから10年以上経過している場合は、一度瓦屋根の調査を行うほうがよいでしょう。
これまでにメンテナンスを行ったことがなく、ご自身で見た目からも判断できない場合は、専門業者に調査依頼することをおすすめします。
瓦以外の下地材の寿命は?
下地の劣化により雨漏りなどの不具合が生じている場合は、
瓦の取替工事やカバー工法(重ね葺き工事)では解消されません。
瓦屋根の下地材には、防水シート(ルーフィング)や野地板が使われています。屋根の葺き替え工事では、防水シートや野地板も取替の対象となります。瓦だけの取替を行ったとしても、不具合が解消されない場合がるからです。
これは、下地材の劣化が原因となっていることが考えられます。
防水シートと野地板の耐用年数は、20年~30年です。
瓦屋根の耐用年数が長いとはいえ、内部が劣化してしまうと雨漏りなどの不具合が生じます。
取替工事だけで、不具合が解消すれば良いですが、実際に取替工事を行っても不具合が解消されないケースは少なくありません。
施工業者の調査が甘く原因カ所を特定できない際にこのようなことが生じます。
そのため、専門業者を選ぶ際は十分な実績があり、丁寧に調査を行う業者を選びましょう。
重ね葺き工事について知りたい方は、「屋根のカバー工法とは?葺き替え工事との違いや費用を徹底解説!」をお読みください。
屋根瓦の葺き替えパターンとメリットとデメリット
屋根瓦の葺き替え工事の際に、同じ屋根瓦にそのまま葺き替えすることも可能です。
しかし、屋根瓦の葺き替え工事は他の屋根材に比べて費用が高くなることがあります。
そこで屋根瓦から葺き替える際に、葺き替え後の屋根材について3パターンをご紹介します。
パターン1:屋根瓦 → ROOGA雅
既存の屋根瓦から、ROOGA雅へ葺き替え工事を行う際は、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット
- 割れにくい
- 重量が和瓦よりも軽く耐震性が優れている
- デザイン性に優れている
デメリット
- 施工費用が高額になる(一般的な金属屋根工事の1.3~1.5倍程度)
- 施工日数が長い
日本瓦は、約50kg/m2と他の屋根材に比べて非常に重いため、建物自体の耐震性は低くなりますが、ROOGA雅は一般的な陶器平板瓦と同等の厚みを持ちながら、重量はその約1/2です。
ですので、ROOGA雅を使うメリットは、屋根が軽くなり、地震の際に建物にかかる力を小さくできます。
デメリットとしては、施工費用が高額になるという点です。ルーガの施工は、屋根工事に使用される垂木などもメーカーの純正品か同等品を使用しなければいけない為、一般的な金属屋根工事の1.3~1.5倍程度となるなど、工事費用が高額になります。
パターン2:屋根瓦 → スレート屋根
既存の屋根瓦から、スレート屋根へ葺き替え工事を行う際は、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット
- 屋根瓦への葺き替え工事に比べて、工事期間や費用が安く抑えられる
- カラーバリエーションが豊富
- 耐震性が高い
デメリット
- 屋根瓦に比べると、メンテナンスの期間が短い(10年程度)
- 耐久性が低い
- スッキリしたデザインになり瓦と比べて存在感に物足りなさを感じる
スレート屋根は厚みが4.5mmと薄いため、軽量で施工もしやすく安価な建材です。そのため、屋根葺き替え工事の費用も抑えられます。
塗装によるカラーバリエーションも豊富ですが、塗装が10年もしないうちに剥げてくる場合があります。
そのため、比較的短期間のメンテナンスが必要になります。
パターン3:屋根瓦 → スーパーガルテクト(金属屋根)
既存の屋根瓦から、ガルバリウム鋼板へ葺き替え工事を行う際は、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット
- 軽量なので耐震性を重視したリフォームに最適
- 断熱材と一体になっているので断熱性が高い
- 遮熱性、防火効果にも優れている
デメリット
- 初期費用が高い
- メンテナンス費用が高め
スーパーガルテクトは重量が5.0kg/㎡と和瓦の約1/10と超軽量で、地震を心配する人にもおすすめできます。
丈夫な反面重量のある瓦屋根は、大きな地震が起きた際揺れの大きさが心配です。
スーパーガルテクトに葺き替えて軽量化すれば、揺れの軽減が期待できます。
一方、スーパーガルテクトは高級屋根材で、施工にも高い技術が必要なので、工事費も高めになる傾向があります。
以上、どの屋根材を選べばよいのかわからないという方は、こちらの「結局のところ、どの屋根材を選べばよいの?屋根材ごとの特徴と寿命から考えよう」も参考にしてください。
屋根瓦の葺き替えの工事期間は?
屋根瓦からの葺き替え工事の期間について、先述した3パターンで紹介します。
屋根材の種類 | 工事期間(一般住宅) |
屋根瓦→屋根瓦 | 約4日~6日(職人4人) |
屋根瓦→スレート屋根 | 約2日~4日(職人4人) |
屋根瓦→ガルバリウム鋼板 | 約2日~4日(職人4人) |
表はあくまで目安です。屋根の形状や工事面積によっても、工事期間が変わる場合があります。
屋根瓦の葺き替えの費用・相場は?
屋根瓦からの葺き替え工事費用について、先述した3パターンで紹介します。
屋根材の種類 | 工事費用(一般住宅) |
屋根瓦→屋根瓦 | 16,500~円/m2 約314万円 |
屋根瓦→スレート屋根 | 13,500円~/m2 約258万円 |
屋根瓦→ガルバリウム鋼板 | 15,500円~/m2 約295万円 |
上記はあくまで目安です。屋根の形状や工事面積によっても、工事期間が変わる場合があります。
ゼファンで行った屋根瓦の葺き替え工事事例
ゼファンは、年間2,000件・施工実績24,000件以上の新築・リフォーム実績があります。
多くの実績の中から、3つの事例をご紹介します。
屋根瓦からROOGA雅(KMEW社)への葺き替え工事
ROOGA雅は瓦の重厚感がありながらも、重量は一般的な屋根瓦の2/1以下と軽量です。
瓦の和の印象を残しつつ、屋根の軽量化で住まいの耐震化にも貢献します。
屋根瓦からカラーベストへの葺き替え工事
撤去後は予想通りに下地が劣化していたため、新しく下地を施工した上にカラーベストを施工しました。
経験豊富な職人さんがいますので安心してお任せください。
屋根瓦からガルテクトへの葺き替え工事
和瓦からスーパーガルテクトへ!屋根重量が約1/10になり耐震対策としてもオススメ!
和瓦を利用していた瓦屋根を、アイジー工業が販売する金属屋根素材『スーパーガルテクト』に葺き替えを行った事例です。
葺き替えを行った事により、屋根の重量も約1/10となり、耐震対策としても非常に有効な屋根リフォームになりました。
まとめ
以上、屋根瓦の葺き替え工事に関して、解説しました。
この記事で解説した通り、屋根瓦の種類や瓦の状態によって、葺き替え工事のタイミングを知ることができます。
葺き替え工事に関する費用や施工期間を参考に専門業者に依頼してください。
ゼファンは屋根修理を専門として、関西一円(大阪・神戸・兵庫・京都・奈良・滋賀)の屋根リフォームを請け負っています。
屋根工事から外壁工事までを専門に行っており、間に工務店が入りません。そのため中間マージンが発生しません。また職人が自ら見積書の説明を行います。施工中に発生しそうな事柄があれば、事前に説明することも可能です。
屋根の事でお困りなら、ぜひゼファンまでご相談ください。