こんにちは、屋根修理と外壁修理のプロ集団・ゼファンです。
今回は、さまざまな形状がある屋根について、現在主流となっている屋根形状のメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。住宅の屋根というものは、家の中に住む人を風雨の影響から守るという非常に重要な役割を持っています。しかし、「風雨の影響から住人を守る」という一点だけを考えれば、屋根の形状など1つあれば構いませんよね。しかし、皆さんもご存知のように、住宅の屋根の形状には非常に多くの種類が存在しており、どの形状を選択するのかによって建物の外観イメージが大きく変わってくるものです。
新しく家を建てる時には、外観イメージを重視する方も少なくありませんので、「できるだけ好みの外観デザインになる屋根形状」といった選び方をする方が多いかもしれませんが、実は選択する屋根形状によって住宅のメンテナンス性や災害などへの強度がかなり違ってくるのです。また、屋根形状によっては、近年人気の太陽光発電設備の設置が難しくなるなど、家づくりの際には外観デザインのみで決定するのはあまりオススメできないのです。
そこでこの記事では、現在日本国内で採用されることが多いいくつかの屋根形状について、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介していきたいと思います。
最も見かけることが多い『切妻(きりづま)屋根』
街中を散歩している時など、日本国内で最も見かけることが多い屋根形状が『切妻屋根』でしょう。切妻屋根は、屋根の頂上部にある棟(屋根面が交差している部分)から地上に向かって、2つの傾斜面が本を伏せたような山形で降りていく形です。イラストなどに描かれる三角形の屋根と言えばわかりやすいかもしれませんね。
妻屋根は、非常に単純な構造で、メンテナンス性も良く雨漏りもしにくい家を実現することができます。一般的に言われる切妻屋根のメリットとデメリットは以下のような感じです。
Merit『切妻屋根』のメリット
切妻屋根のメリットは、非常に単純な構造をしているため、比較的簡単に工事ができ、防水処理なども欠陥が少なくなるため、雨漏りなどのトラブルが発生する確率が低くなるということです。したがって、中長期的に見ても、非常にメンテナンス性が良く、住宅を維持するためのコストを抑えることができるでしょう。
新築時・メンテナンス時両面で工事費を抑えることができるというのが最大のメリットと言えるでしょう。
Demerit『切妻屋根』のデメリット
切妻屋根は、妻側の外壁に日光や雨水が直接あたってしまうことになります。そのため、妻側の外壁の劣化が早くなるという点がデメリットになります。外壁のメンテナンスを放置してしまうと、雨漏りなどを引き起こし、住宅全体の問題に発展してしまいます。
他には、東西方向に屋根面が来る住宅の場合、太陽光発電の発電効率が落ちてしまうことになるのもデメリットです。
建物の棟に対して、直角な側面のことです。棟に平行した側面は平側(ひらがわ)と呼びます。
近年人気の『片流れ屋根』
片流れ屋根は、切妻屋根を半分に切ったような形状をした屋根です。非常にシャープな外観イメージを実現することができるため、洋風な外観イメージが人気となっている近年では採用されることが増えています。
Merit『片流れ屋根』のメリット
片流れ屋根は、一枚の板を屋根として載せた形状ですので、非常にシンプルでスタイリッシュな見た目になることがメリットです。シンプルな構造となるため、施工も容易で新築業界では年々その需要が高まっています。
特に、屋根が南向きになるように設計すれば、太陽光発電の発電効率が非常に良くなるというメリットがあります。
Demerit『片流れ屋根』のデメリット
片流れ屋根の最大のデメリットは、雨漏りリスクが高い…と言う点です。ある瑕疵保険会社の調査では、新築雨漏り事故の75%が『片流れ屋根』だったというデータもあるほどです。
この屋根形状は、一面に雨水が集中してしまうことになるため、雨樋の負担が非常に大きくなってしまい、近年増加しているゲリラ豪雨などでは雨樋が溢れてしまう…などといったトラブルも多いです。また、屋根がかかっていない側の外壁は、風の影響が非常に大きくなってしまうため、劣化が早くなり外壁からの雨漏りも多くなってしまいます。
片流れ屋根のデメリットについては、別記事でもまとめていますので、そちらもご参照ください。
参考記事:片流れ屋根は雨漏りリスクが高い!?屋根形状によるデメリットをご紹介!
根強い人気の『寄棟(よせむね)屋根』
寄棟屋根も切妻と同様にオーソドックスで皆さんもよく見かける屋根形状と言えます。この屋根形状は、全方向に屋根面が構成されており、外壁を軒が覆い雨から守ってくれる形状となっています。基本的には、耐風性などが非常に高く雨漏りリスクも低いのですが、『かき合い』と呼ばれる棟が合流しY字になっている部分の構造が複雑で、定期的なメンテナンスを怠ると、雨漏りの原因となってしまいます。
Merit『寄棟屋根』のメリット
屋根面が4方向から支えあっていますので、耐風性が非常に高く雨漏りもしにくいというのが大きなメリットになります。近年、台風の大型化が問題視されていますので、耐風性の高い寄棟屋根は非常にオススメ出来る屋根形状と言えるでしょう。
Demerit『寄棟屋根』のデメリット
基本的には雨漏りに強い屋根形状となるのですが、大棟と降り棟の取り合い部分(Y字になるかき合い)は、構造が複雑なため雨漏り原因になってしまうことが多いです。定期的なメンテナンスを行っていれば、耐風性などが非常に高く災害にも強いのですが、切妻屋根と比べれば、構造が複雑になるため、雨漏りリスクが高くなると考えてください。
弱点が少ないと言われる『招き屋根』
近年、最も弱点が少ない屋根形状と言われ、非常に高い人気を誇るのが『招き屋根』です。招き屋根は、切妻屋根の一方の屋根面を長く伸ばして、もう片方を短くした屋根形状の事を指しており、2面の屋根面が段違いになっているのが特徴です。
さまざまな屋根形状が存在する中、最もデメリットが少ない屋根と言われており、新築業界では年々その需要が高くなっていると言われています。
Merit『招き屋根』のメリット
招き屋根は、2面の屋根面が段違いで支えあうため、非常に頑丈で耐風性が高いのが大きなメリットです。形状的には、切妻屋根を段違いにしただけですので、非常にシンプルで施工性が高く、安価に施工できるという特徴から新築業界で需要が伸びているのです。また、太陽光パネルの最も理想的な設置角度(約30°)と屋根勾配が一致しているため、太陽光発電の設置に適した屋根形状というのも大きなメリットと言えるでしょう。
Demerit『招き屋根』のデメリット
上述しているように、招き屋根はさまざまな屋根形状がある中でも「最もデメリットが少ない」と言われています。招き屋根のデメリットを強いてあげるとすれば、『雨漏り対策をしっかりとしないといけない…』という点ぐらいしかないと言われています。これは、屋根面が段違いになるため、外壁と屋根の接合部分の雨仕舞をしっかりと行わなければ雨漏りしてしまうという意味で言われています。ただし、どのような屋根形状だとしても、しっかり雨仕舞をしなければ雨漏りリスクが高くなりますので、特に大きなデメリットとは言えません。
参考記事:メリットが多いと言われる『招き屋根』とはどんなもの?新築には招き屋根がオススメ?
まとめ
今回は、さまざまな屋根形状がある中で、近年新築業界などで人気となっている屋根の特徴とそのメリット・デメリットをご紹介してきました。この記事ではご紹介していない人気屋根形状には、『陸屋根』などと呼ばれる屋根が平らな形状をしたものもあるのですが、今回は、比較的近い形状をした4種類をピックアップし、それぞれの特徴をご紹介しました。
この記事の内容を見て分かるように、屋根形状というものは、建物の外観デザインに影響をあたえるだけでなく、住宅の建設コストやメンテナンスコストにも直結する非常に重要なものなのです。特に注意しておきたいのは、選択する屋根形状によって耐風性や雨漏りリスクなどがかなり違ってくるということです。もちろん、定期的にチェックしておきたいポイントなども変わってきてしまいますので、ご自宅の屋根形状とその形状の注意点などはしっかりとおさえておくようにしましょう。
屋根というものは、日々紫外線や風雨などの影響を受け続けるなど、非常に過酷な環境下にさらされ続ける場所ですので、皆さんが考えている以上に劣化が早く進行してしまいます。したがって、雨漏りを防ぐためには、定期的に屋根の状態を点検し、適切なメンテナンスを行っていかなければならないと考えておきましょう。
ゼファンは、自社職人及び専属外注の職人集団で屋根修理・雨漏り修理を行っているプロ集団です。調査の段階から自社の職人が行いますので、正確に原因を突き止め、屋根に最適な修繕方法をご提案しております。関西一円(大阪・神戸・兵庫・京都・奈良・滋賀)で屋根のお困りごと(屋根修理、雨漏り修理)がございましたらお気軽にご相談ください!
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