鋼板を亜鉛でめっきしたトタン屋根は、軽量や価格の安さから人気の屋根材でした。サビに弱く寿命は短くないもののメンテナンスが必要で、放置すると穴あきや雨漏りにつながりかねません。最近はガルバリウム鋼板などさらに高品質な屋根材に押され、トタン屋根の普及は減ってきています。
この記事ではトタン屋根の修理費用について、屋根の症状や修理方法をご紹介します。ゼファンにご依頼いただいた修理事例について、費用を交えて解説しますのでぜひ参考にしてください。
トタン屋根の修理方法
トタン屋根の修理方法としては、主に以下の3つがあります。
- 修繕
- 塗装
- 葺き替え
- カバー工法
それぞれについて説明します。
修繕
まだトタン屋根が新しく、部分的な修理しか必要ない場合は修繕がおすすめです。部分的なサビの場合は、サビたところを磨いてさび止め剤を塗って専用塗料で上塗りします。
目安としては築6~10年未満の屋根が対象で、全体的にトタン屋根の状態がよい場合しか修繕による修理はできません。年数が経っていたり劣化が進んでいたりする場合は、後述するカバー工法をご提案するケースがほとんどです。
塗装
トタン屋根は紫外線で色落ちします。トタン屋根全体にツヤがなくなった・色あせた・全体的にくすんでいると感じたら、塗装のサインです。トタン屋根の場合、約5~10年で塗り替えが必要となります。
トタン屋根は劣化するにつれサビが発生してしまい、自然と直ることはありません。そこで塗装による修理を行うことで、サビなどの劣化を防いだり美観を保ったりするのです。屋根材を撤去したり新しい屋根材を葺いたりしないので、比較的手軽に修理できます。
トタン屋根の劣化が進んでいる場合は塗装による修理は限界があり、葺き替えやカバー工法をご提案します。
葺き替え
トタン屋根に穴あきやひどいサビが広がっている・耐用年数が迫っているという場合は葺き替え工事がおすすめです。古い屋根を撤去して新しい屋根材を葺き直す葺き替え工事は、屋根全体を一新できます。修理した部分は真新しくなり、新築同様の見た目を取り戻せる点がメリットです。
修理の目安としては、15~20年以上経過している、全体的に劣化がひどいといったケースが挙げられます。既存屋根の撤去に工数や費用がかかります。
カバー工法
カバー工法は、既存のトタン屋根を撤去せずにそのまま新しい屋根材を葺きます。目安としては10年以上経過していて、ひどいサビや穴あきがあるといった点が挙げられます。
カバー工法や既存屋根の撤去が不要なので、葺き替えより工期が短く撤去費用もかかりません。既存屋根との間に防水シートを挟むと雨漏り対策になり、防音性も期待できます。
上記のようなメリットから、ゼファンではトタン屋根の修理ではカバー工法をおすすめするケースがほとんどです。新しい屋根材は、同等の価格でより性能がたかいガルバリウム鋼板を使用します。
事例で見るトタン屋根の修理費用
実際にゼファンにご依頼いただいたトタン屋根の修理について、かかった費用とともに事例をご紹介します。
事例1 大阪市東成区 トタン屋根(瓦棒) ガルバニウム鋼板で屋根カバー工事
- 費用:40万円
- 屋根の平米数:50㎡
- 症状:サビ
- 修理方法:トタン屋根カバー工法
サビが屋根全体に広がっており、カバー工法で施工した事例です。サビがかなり出ており、放置すると雨漏りにつながる可能性があります。
トタン屋根は塗装を行っても数年後また塗り直しが必要ですので、ゼファンが最も推奨しているカバー工法で施工させていただきました。
今回の施工はガルバリウム鋼板を使っておりますが、これはすべて弊社で自社加工したものです。ゼファンは板金工事も可能で、現場に合った屋根の形に自由自在に加工できる強みがあります。
大阪市東成区 トタン屋根(瓦棒) ガルバニウム鋼板で屋根カバー工事
事例2 大阪市平野区 トタン瓦棒屋根から立平葺きt=0.35㎜へ屋根改修工事
施工前 施工後
- 費用:182万円
- 屋根の平米数:115㎡
- 症状:台風による破損
- 修理方法:屋根全面改修工事
数年前の台風で屋根が大きく破損してしまい、お問合せをいただきました。現地調査の結果屋根は破損が大部分を占めているため、屋根全面の改修工事をご提案いたしました。
まずは既存トタン瓦棒破損部の不陸調整を行い、そこからコンパネ(12mm)を施工します。次に箱谷板金(谷コイル)を入れ直してゴムアスルーフィング加工を行い、雨漏り対策を行いました。
最後に板金だけで構成する「立平葺き」(たてひらふき)を、ガルバリウム鋼板(0.35mm)で施工して完成です。既存の笠木板金や壁際立ち上がり板金も、すべてガルバリウム鋼板を自社加工してカバーいたしました。施工は10人工で行い、2日で完成しています。
事例3 大阪市東淀川区 トタン屋根 復旧工事 ガルバニウム鋼板0.35㎜ 立平葺き
施工前 施工後
- 費用:20万円
- 屋根の平米数:15㎡
- 症状:突風による飛散
- 修理方法:立平葺き
突風でトタン屋根が飛んでしまい、修理させていただいた事例です。片面は全面、もう片面は1mほどで切れて飛散していました。今回の事例では幸い人や物に被害はなかったですが、屋根が劣化すると強風で鉄板が飛んでしまうことがあります。飛来を防止するためには、定期的な屋根のメンテナンスがおすすめです。
今回の事例では、ガルバリウム鋼板の立平葺きをご提案しました。トタンよりもサビにくく塗装に強いためおすすめの商品です。
大阪市東淀川区 トタン屋根 復旧工事 ガルバニウム鋼板0.35㎜ 立平葺き
事例4 大阪府 高槻市 玄関上 庇カバー工事
施工前 施工後
- 費用:5万円
- 屋根の平米数:2㎡
- 症状:サビ
- 修理方法:トタン屋根 カバー工法
トタン屋根の玄関上庇(あげびさし)にサビが広がっており、修理させていただいた事例です。
サビが全体的に広がっていたため、塗装ではなくガルバリウム鋼板によるカバー工法をご提案いたしました。
カバー工法は塗装よりも断然仕上がりがよく、綺麗で長持ちするためおすすめです。サビで茶色くなっていた上庇が、黒色のガルバリウム鋼板によって美しい屋根に生まれ変わりました。
事例5 京都府 玄関庇 改修工事 ガルバニウム鋼板0.35㎜ 立ハゼ葺き 破風板金巻き
施工前 施工後
- 費用:10万円
- 症状:サビ、穴あき
- 修理方法:屋根 板金工事
玄関上のトタン部がサビで劣化しており、カバー工法で修理させていただいた事例です。現地調査の結果、箱樋(はことい)部に穴が開いていました。
そのため箱樋部を撤去してゴムアスルーフィングを施工し、上からガルバリウム鋼板にてカバーしています。箱樋部を撤去した後は、樋はPanasonicの部材(PC50)を新設しました。
サビで劣化していた庇も、ガルバリウム鋼板のカバー工法によってきれいに仕上がっています。
京都府 玄関庇 改修工事 ガルバニウム鋼板0.35㎜ 立ハゼ葺き 破風板金巻き
屋根リフォームの優良業者と悪徳業者の見分け方
屋根リフォームで悪徳業者を見分けるためには、まず以下の3つを確認してみてください。
- 突然家に訪問して、屋根修理を持ちかけられる
- 「保険があるので必ず無料で修理できます」と契約を推してくる
- 依頼していないのに勝手に屋根に上がり、「修理が必要」と契約を迫る
屋根工事は専門知識が必要かつ高額であるため、あの手この手で消費者を騙そうとする悪徳業者が後を絶ちません。いざ修理を依頼しようとしても「優良業者と悪徳業者の見分けがつかない」と悩む人も多いものです。
いくつか見積もりをもらったけれど判断が難しい、と悩む場合は上記のポイントをチェックしてみてください。
業者の見分け方について、詳しくは屋根リフォームの見積書の見方、注意してみるポイント、費用相場を紹介でご紹介しておりますのでぜひご参照ください。
まとめ
トタン屋根の修理について、修理方法や費用相場、実際の事例をご紹介しました。この記事をまとめます。
- トタン屋根の修理には、修繕・塗装・葺き替え・カバー工法という方法がある
- 劣化が進みサビや穴あきがある場合は、カバー工法がおすすめ
ゼファンは、自社職人及び専属外注の職人集団で屋根工事を行っているプロ集団です。調査の段階から自社の職人が行いますので、現在のトタン屋根の状態やご希望に合った最適な修理方法をご提案できます。関西一円でお困りごとがありましたら、ぜひゼファンへお問合せください。