こんにちは、屋根修理と外壁修理のプロ集団・ゼファンです。
今回は、屋根業界の基礎知識として、屋根修理や屋根リフォームの際に見かけることになる『葺く』という言葉について簡単に説明していきたいと思います。普段の生活を考えれば『葺く(ふく)』という言葉はあまり見かけることはなく、皆さんがこの言葉に出会うのは、住宅の屋根にガタが来て「そろそろ屋根の修理をしなければ…」と考えた時に初めて見ることになると思います。
屋根リフォームの手法には『葺き替え(ふきかえ)』工事というものがあるのですが、上述したようにあまり馴染みのない漢字が使われていることから、どういった事が行われるのかなかなかイメージできない人が多いことでしょう。しかし、屋根修理業界では、この『葺く』という言葉は良く使用されることになりますので、将来的なことを考えると、皆さんも覚えておいた方が良いと思います。ちなみに、この『葺く』という言葉は、葺き替え工事以外にも『重ね葺き』や『葺き直し』など、屋根に関わる用語では本当に良く登場するものなのです。
屋根は、住宅内に住む人を風雨から守ってくれるという、非常に重要な役割を持った部位となりますので、『葺く』という言葉についてキチンと理解しておけば損はないと思います。どのような屋根を使用していたとしても、いずれ葺き替え工事をすることになりますので、この記事では、屋根業界でよく登場する『葺く』を使った用語について解説していきます。
『葺く』が使われる屋根業界の用語について
それでは屋根業界で良く用いられる『葺く』に関してご紹介していきましょう。
そもそも『葺く』という用語の意味については、屋根を仕上げる行為のことを指しています。したがって、屋根業界でよく利用されるのは当たり前のことなのです。この葺くという用語については、江戸時代に屋根の主流であった『茅葺き(かやぶき)』の様な、草を被せて屋根を仕上げていたということが語源とされています。
近年では、江戸時代の様に草を屋根材として利用することなどなく、瓦やスレート、金属屋根材など多種多様な屋根材が登場しているのですが、どのような屋根材を使用していたとしても、屋根を覆う行為は『葺く』と表現するようになっているのです。なお、皆さんの目に直接触れることが少ない屋根下地に関しても、建材を覆う行為に関しては『葺く』という用語を用いる場合があります。例えば、コンパネ下地を形成した後、二次防水の目的で施工されるルーフィングについては「ルーフィングを葺く」といった感じで使われます。
それでは以下で、屋根業界でよく耳にする『葺く』を用いたいくつかの用語をご紹介していきます。
EX01葺き替え
屋根リフォーム業界で最も耳にする用語が『葺き替え』でしょう。これは、古くなった屋根材を全て撤去して、新しい屋根材に張り替えることを指しています。新しく葺く屋根材に関しては、既存屋根に使用されたものと同じ種類の場合もありますし、全く異なるものに変える場合もあります。
葺き替え工事の特徴は、既存屋根材を撤去することから、下地材の劣化状況を確認することができ、劣化が見られる場合には、下地材の桟木や野地板、防水シートなど、全てを交換することができる点です。したがって、屋根の根本部分から修理することができ、住宅の屋根だけは新築のようになり建物の寿命を延ばすことも可能なのです。
ちなみに、葺き替え工事に関しては、屋根下地の張替えを含めている場合と、表面の仕上げ材だけを交換する、どちらの意味でも取ることができます。基本的にゼファンが行う工事は、下地からやり替える物を指しているのですが、そうではない場合があるので、注意しましょう。当然、下地材からやり替える場合と、表面の仕上げ材のみを入れ替えるのでは、工事にかかる費用や得られるメリットが変わってしまいます。
EX02葺き直し
次は『葺き直し(ふきなおし)』です。葺き替え工事と比較すれば、あまり耳にしたことが無い…という方が多いかもしれませんが、これは瓦屋根において、瓦を一旦取り外して、屋根下地の補修などをして、再度同じ瓦を使って屋根を仕上げることを指しています。つまり、『葺き直し』に関しては、基本的に瓦屋根の修理などに用いられる言葉となります。
瓦は、非常に重いということから、近年の屋根業界では敬遠される傾向にあります。しかし、非常に耐久力が高いとういう特徴を持っているため、一度取り外しても再利用することができるのです。ちなみに、寺社仏閣などの古い建物になると、100年以上前の瓦が普通に現役で使われている場合もあるほどなのです。葺き直しのメリットは、新しい屋根材を用意しなくても良いため、葺き替え工事よりも費用を抑えることができる点です。
なお、破損した瓦があれば、一部新しいものに交換することも可能です。
EX03重ね葺き
『重ね葺き』もあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんね。屋根リフォーム業界では、非常にメジャーな工法なのですが、主に『カバー工事』や『カバー工法』という呼び方がされています。
これは、スレート屋根のリフォーム手法として考案された方法で、古い屋根材をそのままに、上から新しい屋根材を葺いていくという手法です。屋根を重ねて葺き『二重屋根』の状態になることから『重ね葺き』と呼ばれているのです。
スレート屋根は、表面の塗装が防水や断熱などの各種機能を担っているのですが、塗装の効果は10年程度で切れてしまいます。そのため、約10年に1度の頻度で再塗装が必要とされているのです。しかし、スレート材の耐用年数が25年程度となりますので、築20年目には軽量なガルバリウム鋼板屋根で『重ね葺き』するというのが一般的になっています。
EX04横葺き&縦葺き
『横葺き』と『縦葺き』は、金属屋根の施工に用いられる用語です。それぞれの違いについては以下のような感じです。
- 横葺き
屋根の流れに対して横向きに貼る金属屋根のことを横葺き屋根と呼びます。 - 縦葺き
屋根の流れ沿って縦方向に張っていく金属屋根は縦葺き屋根と呼びます。
『横葺き』と『縦葺き』については、どちらか一方が優れているわけではなく、一長一短があります。
EX05瓦葺き
『瓦葺き(かわらぶき)』はイメージしやすいですね。これは、粘土を焼き固めて成形された陶器瓦やセメントを基材としたセメント瓦が使用されている屋根のことです。ちなみに、これから瓦を葺いていく行為についても『瓦葺き』という言葉を用いる場合があります。
要は瓦屋根のことだと理解しておけば間違いはないと思います。ただし、見積り書などに『瓦葺き工事』などと書かれている場合は、瓦を使って屋根を仕上げる工事のことを指しています。
まとめ
今回は、屋根業界で良く用いられる『葺く』という言葉について、葺くが用いられたさまざまな用語の意味についてご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、『葺く』という言葉は、屋根を仕上げる行為のことを指していますので、屋根リフォームに関する用語としてよく利用されるのは当たり前のことなのです。
しかし、同じ葺くという言葉が使用されるものでも、さまざまな用語が存在しており、それぞれ別の工事を指しているということは覚えておいた方が良いでしょう。特に葺き替え工事については、下地材からやり替えることを想定していない場合にも用いられることから、安さだけで業者選択をしてしまった場合には、表面の屋根材しか交換してもらうことができず、すぐに屋根下地の工事をするための別の工事が必要になる…なんてことがあるのです。
屋根業界では、日常生活では見かけることがほとんどない専門用語が多用されますので、少しでも分からない…疑問に思った事があれば、その場で質問するようにしましょう。分からないことを放置してしまうと、要望していたことと全く違う結果になってしまう…なんてことが考えられるのです。
ゼファンは、自社職人及び専属外注の職人集団で屋根修理・雨漏り修理を行っているプロ集団です。調査の段階から自社の職人が行いますので、正確に原因を突き止め、屋根に最適な修繕方法をご提案しております。関西一円(大阪・神戸・兵庫・京都・奈良・滋賀)で屋根のお困りごと(屋根修理、雨漏り修理)がございましたらお気軽にご相談ください!
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