こんにちは、屋根修理・雨漏り修理のプロ集団ゼファンです。
自宅を建ててから、10年~30年が経過した住宅では屋根の葺き替え工事が必要になる場合があります。
実は屋根の耐久年数は、屋根に使用されている素材の種類によって耐久年数が変わります。
この記事では、スレート屋根材の基本的知識から、スレート屋根葺き替え工事のメリット・デメリットを解説します。また葺き替え工事の費用目安や事例を紹介します。
築年数が10年以上になる住宅にお住まいの方は、ぜひ屋根の葺き替え工事について参考にしてください。
スレート屋根とは?
スレートにはいくつか種類があります。大きく2つに分けると天然スレートと化粧スレートに分かれます。
既存住宅には、2006年に使用が禁止されたアスベスト含有のスレートも屋根材として使用されています。アスベストは非常に細かい繊維で、中皮腫や肺がんのほか様々な病気を引き起こす物質のひとつです。
各スレートについて解説し、アスベスト含有有無の見分け方もご紹介します。
他の屋根材について知りたい方は、別記事「結局のところ、どの屋根材を選べばよいの?屋根材ごとの特徴と寿命から考えよう」をお読みください。
天然スレート
天然スレートは、粘板岩と呼ばれる岩石を切り出して、板状に薄く加工したものです。自然素材を高い技術で加工するため、他のスレート材に比べて、高価格です。
数百年以上現存するヨーロッパの石屋根からも分かる通り、塗装などのメンテナンスが必要ありません。
しかし、岩石のため他のスレート屋根よりも重いのが特徴です。海外では、寺院や城で使用されることが多く、国内では東京駅の屋根に使用されています。
高価格のため、一般住宅では使用されることはほとんどありません。
化粧スレート
化粧スレートはセメントに複合材として繊維素材を混ぜ込み、薄板状に加工したものです。工業的に生産されるため、価格も比較的安く、カラーバリエーションも多いのが特徴です。
一軒ごとに個性も出すことのできるので、一般住宅で広く使用されています。
主な商品としてはKMEW(ケイミュー)株式会社の「カラーベスト」があり、商品ラインアップとしては下記があります。
- コロニアルクァッド
- コロニアルグラッサ
- 遮熱グラッサ
これらの屋根材は、耐火性や耐熱性にも優れており、火器を使用する工場の屋根や外壁材として選ばれています。
アスベスト(石綿)スレートとノンアスベスト(無石綿)スレート
人体に対して、悪影響を与えるアスベスト。重量の0.1%を超えてアスベストを含んでいる建材の使用・製造・提供は、2006年に国内で全面禁止となりました。
2017年に中皮腫で死亡した人は、1995年の3倍以上の1,555名です。厚生労働省によると、1960年代から潜伏期間(平均約40年)を加えた時期にあたる最近において急増しています。
しかし、2006年以前の住宅すべてがアスベストを使用しているのでしょうか?
実は、国の法整備より先んじてメーカー側は、アスベストを含有しないスレート建材(ノンアスベスト)を製造しています。しかし、アスベストスレートは、人体に悪影響を与える一方で建材としては、耐久年数30年と優れた素材でした。
その代替品としてのノンアスベストスレートの耐久年数は、10年を超えると不具合が生じやすいことがわかっています。このノンアスベストスレートの不具合が、最近では顕在化して社会問題となっています。
以上のことから、10年~30年を目安にスレート屋根材の多くで葺き替え工事が必要になる場合があります。
スレート屋根葺き替えのメリットとデメリット
屋根の葺き替え工事の特徴は、すべての屋根材だけでなく、下地の野地板や防水紙まですべて撤去・取替を行うことです。
葺き替え工事には、大きなメリットもありますが、デメリットもあります。
屋根修繕工事を行う前にメリット・デメリットを押さえておきましょう。
スレート屋根葺き替えのメリット
スレート屋根のメリットは以下です。
費用が安く抑えられる
一般住宅に使用されるスレートは、セメントに繊維素材を混ぜ込み、耐熱性、耐久性を向上させた素材で、安価で生産性の高いスレートです。
また瓦屋根に比べて、重量が軽いため施工もしやすいことから費用も安く抑えることができます。
施工期間が短い
一般的な住宅の場合、瓦から瓦への葺き替え工事は約6日~8日です。一方で、瓦からスレートの場合は、約4日~6日となります。
とはいえ、屋根形状と規模によってはこれ以上の日数を要する場合があります。
重量が軽いため耐震性が高い
スレート屋根は、厚さが4.5mmなので軽量で住宅への負荷が少なくなります。スレート屋根の重さは、およそ17.5kg/m2で同じ面積の瓦屋根の半分以下の重量です。
屋根が軽くなることで建物に対する負荷が小さくなるため、耐震性が向上します。
スレート屋根葺き替えのデメリット
スレート屋根の葺き替え工事のデメリットは以下になります。
防水処置が不十分だと劣化が早まる
施工業者にもよりますが防水紙の施工やフックボルトの防水処置が不十分だと、雨水が隙間に流れ込み劣化をはやめてしまいます。
デザインのバリエーションが少ない
カラーバリエーションは塗装により豊富ではあるものの、スレート屋根は形状のバリエーションが少なく、色以外の個性を出すことは難しいでしょう。
たとえばガルバリウム鋼板の屋根は日本瓦風のデザインや洋瓦風のデザインがあります。
塗装は10年ほどで塗り直しが必要になる
10年以上経過したスレート屋根は、塗装がはがれてしまい塗り直しが必要になります。スレート屋根の塗装については、別記事「スレート屋根における塗装工事!工事を依頼する前に知っておきたい豆知識をご紹介!」をお読みください。
またスレート屋根は、他の屋根材に比べて防水性が不十分でコケが生えやすいということもあります。
スレート屋根の耐久年数
スレート屋根の耐久年数は、アスベストの含有有無で決まります。
アスベストが入ったスレートは、30年の耐久年数がありますが、ノンアスベストスレートは、10年ほどで補修・葺き替えが必要になります。
築10年以上経過した住宅でスレート屋根を使用している場合は目視で確認できるほど、割れなどの不具合が生じていることがあります。
その場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
スレート屋根葺き替え工事の工事期間
スレート屋根の葺き替え工事期間は、一般的な住宅の場合、瓦からスレートの場合は、約2日~4日となります。
スレート屋根葺き替え工事は、大きく4つの工程に分かれます。
- 足場の組み立て(1日)
- 既存の屋根材の撤去と廃棄処理(1日)
- 新しい屋根材の施工(1日)
- 足場の撤去(1日)
ただし、上記はあくまで目安のため、実際の施工面積や屋根形状によっても工数がかかる場合があります。
スレート屋根葺き替え工事の費用目安
屋根の葺き替え工事の費用は、通常、1m2あたりの施工面積で費用が変わります。
ここで屋根面積を算出するのに便利な計算式を紹介します。
屋根面積=1階の床面積 × 1.5(係数)
あくまで目安ではありますが、たとえば床面積が50m2だった場合は、50 × 1.5 =75m2となります。ここで全国平均の住宅床面積は、126.8m2なので、おおよその屋根面積は、190.2m2となります。
古い瓦屋根からスレートに葺き替える場合は、13,500円~/m2なので、約260万円となります。
スレート屋根葺き替え工事事例
ここで弊社の3つのスレート屋根葺き替えの施工事例を紹介します。
日本瓦からカラーベストへの葺き替え工事
既存の屋根全面に防水処置のシリコンが施工されていたため、撤去に時間が掛かりました。
さらに撤去後は下地が劣化していため、新しく下地を施工した上にゴムアスファルトルーフィングおよびカラーベストを施工しました。
施工面積が170㎡と大きな屋根全面の葺き替え工事
現状が和瓦で和の雰囲気を崩したくないという要望がありましたので、ケイミュー社のルーガ雅を提案しました。
2日で瓦の撤去と下地の取替を行い、ルーガ雅施工に10日ほどかかりました.
瓦屋根からカラーベスト「コロニアルグラッサ(KMEW社)」への屋根葺き替え工事
京都府京都市左京区 屋根葺き替え工事 瓦からコロニアルグラッサ(KMEW社)
屋根の軽量化で、地震が起きた際の減震効果が期待できます。見た目もすっきりした印象に変わりました。
まとめ
この記事では、スレート屋根の素材から、メリット・デメリット、スレート屋根葺き替え工事事例を紹介しました。
ゼファンでは関西一円で雨漏り修理や屋根修理を行っています。調査の段階から自社の職人が行いますので、正確に原因を突き止め、屋根に最適な修繕方法をご提案可能です。
屋根の葺き替え工事でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ゼファンにお気軽にご相談ください。