自宅の屋根リフォームにて、スレート屋根の屋根カバー工法を検討している方の中には、「(工事で)失敗したくないし、後悔したくないな」と不安を抱えているも多いと思います。
そうした不安を払拭するためには、スレート屋根に屋根カバー工法を採用する費用感や、メリット・デメリットなどを、しっかり知っておくことが有効です。
今回の記事では、「スレート屋根の屋根カバー工法で失敗・後悔しないために知っておくべき5つのこと」について、屋根工事のプロ『ゼファン』が詳しく解説・紹介していきます。
- スレート屋根の屋根カバー工法にかかる「費用」を知っておこう
- スレート屋根の屋根カバー工法にかかる「メリット」だけでなく「デメリット」も知っておこう
- 「スレート屋根=屋根カバー工法」ではない!
- 失敗・後悔しないために1番大切なのは「業者選び」!
- 「施工実績」を見て屋根カバー工法のイメージを掴もう
※なお今回は、工場によくある「波型スレート」の話ではなく、戸建住宅によくある「通常のスレート」の話をしていきます。
【1】スレート屋根の屋根カバー工法にかかる「費用」を知っておこう
スレート屋根の屋根カバー工法にかかる費用は、1㎡あたり11,000円~です。
そのほか、足場代が15万~30万円ほどかかります。
総額は、“屋根の面積”や“屋根カバー工法に用いる材料”によりますが、一般的には80万~180万円前後になることが多いでしょう。
※屋根の広さが一般的である(50~80㎡)を想定
さらに具体的な金額は立地条件・施工業者によって異なるため、相見積もりを取って把握しましょう。
<以下のコラムも参考にしてみてください>
⇒ 失敗しない屋根工事の相見積もり!見積もり業者を選ぶ基準や手順について解説
【2】スレート屋根の屋根カバー工法の「メリット」だけでなく「デメリット」も知っておこう
スレート屋根の屋根カバー工法には、様々なメリットがあります。
そして「しいて言うなら」という範疇ではありますが、デメリットも存在します。
“メリット・デメリットの両方を把握して、屋根カバー工法を選ぶかどうかを検討する”ことが、屋根リフォームで後悔しないために大切なことです。
スレート屋根に屋根カバー工法を行う「5つのメリット」
- 工事費用を安く抑えられる
- 工事の期間が短い
- 屋根の防音性や断熱性が高まる
- アスベストの飛散リスクが低い
- 屋根の構造材がほとんど傷まない
【メリット1】工事費用を安く抑えられる
屋根カバー工法は既存の屋根材を残したまま施工するため、屋根材の撤去費用・廃材の処分費用がほとんどかかりません。
(屋根カバー工法で処分するのは、棟板金や貫板のみです。)
よって、屋根材を交換する葺き替え工法よりも、費用が安く抑えられるというメリットがあります。
【メリット2】工事の期間が短い
屋根カバー工法は解体・撤去の工程がほとんどないことから、工事期間が短く済む場合が多いです。
葺き替え工法で10日間かかる場合、屋根カバー工法なら7日程度で工事が終わると推測できます。
工事が短く済むということは、騒音や人の出入りなどのストレスに耐える時間が短くて済むということです。
「ご近所の迷惑になっているのでは?」と不安に思う時間も減らせます。
【メリット3】屋根の防音性や断熱性が高まる
断熱性のある屋根材を屋根カバー工法に採用することで、屋根の断熱効果を高めることができます。
屋根の断熱がよく機能すると、お部屋の冷暖房効率が上がります(=電気代などを抑えられる)。
また屋根カバー工法により、既存の屋根材と併せて2重の屋根に仕上げることで、屋根に当たる雨音が小さくなるなど、防音性のアップも期待できます。
さらに、屋根カバー工法ではルーフィング材(防水シート)を必ず施工するため、屋根の防水性能が上がり、雨水の浸入を食い止めやすくなります。
【メリット4】(アスベスト含有屋根の場合)アスベストの飛散リスクが低い
屋根カバー工法は、解体工事を行わない工法なので、(アスベスト含有屋根の場合)アスベストの飛散リスクが低いです。
とはいえ、アスベスト屋根の問題を先送りにするのは、よくありません。
できるのであれば、屋根の状態が良いうちにアスベスト含有の屋根材を撤去したほうが良いので、屋根カバー工法で対処するか葺き替えで対処するか、専門業者によく相談してみましょう。
【メリット5】屋根の構造材がほとんど傷まない
葺き替え工事のために屋根材をはがす時、無理な力を加えてはがしてしまうと、屋根の構造材である野地板や垂木(たるき)に負荷がかかり、傷んでしまうリスクがあります。
屋根カバー工法であれば、屋根の構造材に手を加えることはなく、屋根の構造材を傷めることはほぼないでしょう。
スレート屋根に屋根カバー工法を行う「3つのデメリット」
- 使用可能な屋根材が限られている
- 屋根カバー工法は1度きりしかできない
- 火災保険の修繕で屋根カバー工法を行う場合、補償対象外となることがある
【デメリット1】使用可能な屋根材が限られている
屋根カバー工法に使う屋根材は、軽量でなくてはいけません。
見た目や質感が気に入った屋根材を自由に選べるわけではないことが、人によっては大きなデメリットでしょう。
【デメリット2】屋根カバー工法は1度きりしかできない
屋根カバー工法は、1度きりしか行えません。
理由は単純で、2重になっている屋根にさらに屋根材を追加したら、屋根が重くなりすぎて住宅に大きな負担がかかってしまうためです。
【デメリット3】火災保険の修繕で屋根カバー工法を行う場合、補償対象外となることがある
台風・強風で屋根が破損したケースで、修繕に屋根カバー工法を選ぶ場合、補償の対象外となることがあります。
火災保険で補償金の申請をする場合、“被害に遭う前の状態に戻すこと”を前提にした見積書を提出する必要があり、屋根カバー工法ではこの“元に戻す”という観点で審査に引っかかってきます。
そもそも、台風・強風で屋根が破損したケースでは、下地まで劣化していることが多いです。
下地から補修できる葺き替え工事のほうが、適しているでしょう。
【3】「スレート屋根=屋根カバー工法」ではない!
「スレート屋根であれば、屋根カバー工法を採用したほうがいい」と勘違いしている方がたまにいらっしゃいますが、決してそうではなく、「屋根カバー工法ではなく葺き替え工法を採用したほうがいい」ケースも多くあります。
- 屋根から雨漏りを起こしたことがあるケース
- この先も長く家に住み続けるケース
- 新しい屋根にスレートや瓦を使いたいケース
上記は、屋根カバー工法よりも、葺き替え工法が適しているケースの一例です。
まず、雨漏りを起こしたことがある屋根の場合、下地材まで傷んでいる可能性が高く、葺き替え工事の過程で「野地板の補修・補強」を行うほうがよいと思われます。
そして屋根材を自由に選びたいケースでは、屋根カバー工法よりも葺き替え工法のほうが、確実に屋根材の選択肢は広がります。
デメリットの項で述べたように、1度屋根カバー工法をしたことがある屋根では、次のメンテナンス時に葺き替え工事を選ぶしかないので、ご注意ください。
【4】失敗・後悔しないために1番大切なのは「業者選び」!
スレート屋根に屋根カバー工法を採用する場合に限らず、屋根工事で失敗・後悔しないために1番大切なのは、「施工業者選び」です。
- 地元で長く営業している業者を選ぼう
- 屋根カバー工法の実績が豊富な業者を選ぼう
- 担当者との相性も大切
【ポイント1】地元で長く営業している業者を選ぼう
まず最初のポイントは、「遠方の業者ではなく、地元で長く営業している業者を選ぶこと」です。
遠方の業者は工事費用が高くなりやすく、施工後のアフターサービスにすぐ駆けつけてくれるかどうかも、不安があります。
いっぽう、地元で長く営業している(=地元で長く信頼を得ている)業者であれば、遠方対応による工事費用のアップは避けられて、アフターサービスなども早く対応してくれるため、安心です。
【ポイント2】屋根カバー工法の実績が豊富な業者を選ぼう
「屋根リフォームを依頼しようとしている業者が信頼できるかどうか?」の判断材料の1つは、ホームページなどで見られる「施工実績」や「お客様の声」です。
実績ページなどを確認することで、その業者がどのように工事を進めていくのか、どのようなことに気を配っているのか、肝心の工事の仕上がりはどうなのかなど、事前に確かめることができます。
「屋根リフォーム業者」とひと口に言っても、屋根塗装に強い業者もいれば、屋根葺き替えに強い業者もいます。
スレート屋根の屋根カバー工事を依頼するのであれば、同様の施工実績が多数ある業者を選ぶことが安心です。
【ポイント3】担当者との相性も大切
「良い施工業者を探すことは、良い担当者を探すこと」だと言っても、過言ではありません。
- ストレスなくコミュニケーションを取ることができる
- 説明が分かりやすい
- 誠実に話を聞いてくれる
- 必要な提案をしてくれる
上記のような担当者がいる施工業者は、安心度が高いです。
費用・工期・近隣対策・アフターサービスなど、総合的に考えて「この人なら大丈夫!」と思える担当者および施工業者に、工事を依頼しましょう。
【5】「施工実績」を見て屋根カバー工法のイメージを掴もう
先にも述べたように、施工実績をよく見ることは、いい業者を選ぶための基本です。
以下では、当社『ゼファン』のスレート屋根の屋根カバー工法の施工実績を紹介します。
【実績1】兵庫県神戸市 約134㎡・総額222万円の屋根カバー工事
- 工事概要:屋根カバー工事 (スーパーガルテクト)・雨樋交換工事
- 施工費用:総額222万円(税込)
- 施工面積:約134㎡(屋根)
- 屋根の形:寄棟(天窓あり)
- 工期 :8日間(屋根工事)
兵庫県神戸市西区で、スレート屋根の屋根カバー工事・雨樋交換工事を行いました。
カバーに使う屋根材には、『スーパーガルテクト』を採用しました。
スーパーガルテクトは高耐久かつ軽量で、コストパフォーマンスにも優れます。
<詳しくはコチラ>
⇒ 兵庫県 神戸市西区 屋根の重ね葺き(スーパーガルテクト)・雨樋交換工事
【実績2】大阪府東大阪市 約52㎡・総額73万円の屋根カバー工事
- 工事概要:屋根カバー工事 (スーパーガルテクト)
- 施工費用:総額73万円(税込)
- 施工面積:約52㎡(屋根)
- 屋根の形:切妻
- 工期 :3日間(屋根工事)
大阪府東大阪市で、スレート屋根の屋根カバー工事を行いました。
既存の屋根材はスレート屋根の一種『パミール』で、パミール特有のめくれ・ひび割れなどが見られました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 大阪府 東大阪市 屋根重ね葺き工事(スーパーガルテクト)
【実績3】京都府木津川市 約96㎡・総額187万円の屋根カバー工事
- 工事概要:屋根カバー工事(スーパーガルテクト)・ケラバ板金巻き工事・外壁コーキング工事
- 施工費用:総額187万円(税込)
- 施工面積:約96㎡(屋根)
- 屋根の形:棟違い屋根+寄棟
- 工期 :6日間(屋根工事)
京都府木津川市で、スレート屋根の屋根カバー工事(スーパーガルテクト)・ケラバ板金巻き工事・外壁コーキング工事を行いました。
「施工から20年ほど経っているので、リフォームしたい」ということで、お問い合わせがありました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 京都市 木津川市 屋根重ね葺き・ケラバ板金巻き・外壁コーキング工事
まとめ
以上、「スレート屋根の屋根カバー工法で失敗・後悔しないために知っておくべき5つのこと」を紹介しました。
- スレート屋根の屋根カバー工法にかかる「費用」を知っておこう
- スレート屋根の屋根カバー工法の「メリット」だけでなく「デメリット」も知っておこう
- 「スレート屋根=屋根カバー工法」ではない!
- 失敗・後悔しないために1番大切なのは「業者選び」!
- 「施工実績」を見て屋根カバー工法のイメージを掴もう
屋根カバー工法とはどんな工事なのかをしっかり知っておくこと、そして何よりも良い施工業者を選ぶことが、「後悔のない良い工事」に繋がります。
この記事を参考に、良い施工業者を見つけてくださいね。