家の瓦の劣化に気付いた時、「早くメンテナンスしないといけないかな……?」と心配になる人は多いですよね。
その心配は「いい心配」で、瓦の劣化はできるだけ早めに対処することが、家の梁や柱を守るため・雨漏りなどを防ぐために必要なことです。
また、近年の地震の多さを不安に思い、屋根を軽量化することを検討し始めている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回のコラムでは、屋根の劣化とその対処方法から、屋根を軽量化する方法について、大阪の屋根・雨漏り修理の実績年間2,000件の『株式会社ゼファン』が解説していきます。
瓦の劣化でよくある8つの症状と対処方法
- 瓦のコケ・藻・カビ
- 瓦のヒビ・割れ
- 瓦のずれ・浮き
- 瓦の反り
- 瓦のサビ ※ビス周り
- 瓦の色あせ
- 瓦のたわみ・歪み
- 漆喰の崩れ
上記8つが、瓦の様々な劣化パターンです。
今回の記事では割愛しますが、瓦の素材によって起こりやすい劣化というのが存在します(粘土瓦⇒コケなど)。とはいえ、ほとんどは共通していると思ってよいでしょう。
また、8番目の「漆喰の崩れ」は厳密には「瓦の劣化」と言えないかもしれませんが、瓦の劣化と同時に起こりやすい劣化なので、今回はあえて取り上げます。
【1】瓦のコケ・藻・カビ
雨や湿気が多い環境では、瓦にコケ・藻・カビが発生しやすいです。
これらコケなどが屋根の耐用年数に影響を及ぼすことは、実はそれほどありません。しかし、まれに瓦の下に施工されている土にまでコケなどが広がると、湿気が飛ばなくなり、屋根材を傷める可能性が出てきます。
そしてもちろん、コケだらけの屋根は古びて見え、美観がよくありません。
◆瓦のコケ・藻・カビの対処方法
瓦のコケ・藻・カビの対処方法は、定期的な高圧洗浄です。
屋根の高圧洗浄のためだけに足場を組むのは割高なので、外壁の高圧洗浄や塗り替えと同じタイミングで行うのがよいでしょう。
【2】瓦のヒビ・割れ
強度の高い瓦でも、台風時に飛来物が衝突することなどによって、ヒビが入ったり割れてしまうことがあります。
瓦のヒビ・割れを放っておくと、その隙間から雨水が入り込んでしまい、室内の雨漏りの原因となりますので、早めに対処することが必要です。
◆瓦のヒビ・割れの対処方法
割れている瓦の枚数が少なく、割れの程度も軽微であれば、シーリング・セメントを使って補修した後に塗装をすることで対処することができます。また、部分的に瓦を差し替えることも可能です。
もし広範囲で瓦が割れている場合は、全面的な葺き替え工事が必要です。
【3】瓦のずれ・浮き
地震や台風の影響を受けて、瓦がずれたり浮いたりすることがあります。
また、下地が劣化(腐食など)することで、瓦が広範囲ずれることもあります。
瓦のずれ・浮きを放置すると、隙間や浮いた部分から雨水が入り込み、室内の雨漏りの原因となるので、早めの処置が必要です。
◆瓦のずれ・浮きの対処方法
ずれたり浮いている瓦の枚数が少ない場合は、部分交換で済むこともあります。
逆に瓦のずれ・浮きが広範囲に及ぶ場合は、全面的な葺き替え工事が必要です。
【4】瓦の反り
スレート瓦に多いのですが、瓦に塗っている塗料の防水性が切れ、吸水と乾燥を繰り返すことで、瓦が徐々に外側に反っていくことがあります。
瓦が反ると屋根に隙間ができてしまい、そこから雨風が吹き込んで、室内の雨漏りの原因となります。
◆瓦の反りの対処方法
瓦が反っている状態は、瓦が非常に割れやすい状態でもあります。よって、そのまま塗装をやり直すことは推奨できません。
部分的に交換する、あるいは全面的な葺き替え工事が必要です。
【5】瓦のサビ
瓦の主成分は粘土や陶器、もしくはセメントなので、瓦そのものがサビてしまうことはありません。
しかし、瓦を固定しているビス(釘)周りやアンテナなどのサビが、広がることはよくあります。
サビを放置すると、屋根に穴が開いてしまうことがあるため、早めの対処が必要です。
◆瓦のサビの対処方法
「ケレンがけ」というやすりがけに似た作業で、瓦のネジ周りに発生したサビを落とすことができます。
【6】瓦の色あせ
セメント瓦など、塗料で仕上げている屋根瓦の場合、塗料の耐用年数があります。
よって、5~10年ごとを目安にした、定期的な塗り替え工事が必要です。
ただし、塗り替えをきちんと行っていても、瓦自体の耐用年数(30~50年)が延びるわけではないことに注意しましょう。
◆瓦の色あせの対処方法
5~10年ごとに、屋根の塗り替え工事を行うことが、瓦の色あせの対処方法です。
屋根塗装のためだけに足場を組むのは割高なので、ついでに外壁塗装を行う人が多いです。
塗料ではなく、屋根材そのものの耐用年数を過ぎている場合は、全面的な葺き替え工事が推奨されます。
【7】瓦のたわみ・歪み
本来は直線的でないといけない屋根の軒先が、瓦の重みのために、たわんでしまうことがあります。
また、屋根の野地板が傷むなどして屋根の面が歪むと、その上に乗っている屋根瓦も歪んでしまいます。
こうしたたわみ・歪みがあると、屋根瓦と屋根の間に隙間ができてしまい、そこから雨水が入り込んで雨漏りの原因となります。
◆瓦のたわみ・歪みの対処方法
たわみ・歪みの程度が軽微な場合は、軒先・野地板などの部分補修で対処できることがあります。
程度がひどい場合だと、下地から大幅に修理をして、屋根の葺き替え工事を行うことになります。
【8】漆喰の崩れ
瓦屋根には、棟部などの空洞を埋めるために、漆喰が施工されています。
この漆喰が長年雨風や直射日光にさらされると、崩れてしまいます。
少しポロポロ落ちてきているくらいでは影響がないことが多いですが、深刻な崩れを放置していると雨漏りの原因となります。
◆漆喰の崩れの対処方法
漆喰が崩れた場合は、漆喰のやり直しをするか、棟瓦も取り替えたうえで漆喰工事も行うかになります。
地震が多くて心配!屋根を軽量化するための方法は?
日本は地震大国です。近年も大きな地震が頻発しているので、「地震で家が崩れてしまうのではないか……?」と不安に思う人は少なくないはずです。
様々な見解がありますが、基本的には、屋根は重ければ重いほど地震の揺れに関するリスクが高まります。逆に言えば、屋根を軽量化することが、地震の対策になります。
現在(2023年)の建築基準法において、通常の瓦屋根(セメント瓦も含む)は「重い屋根」として分類されています。地震に備えるならば、これを「軽い屋根」に分類される屋根材に葺き替えておきたいところです。
「軽い屋根」に分類されるのは、スレート瓦(『コロニアル』など)、ハイブリッド瓦(『ルーガ』など)、そして最も軽いのは金属屋根です。
《関連コラム》
⇒ 地震に強い屋根とは?大型地震に備えた対策についてご紹介!
劣化した瓦の屋根を葺き替えて軽量化した事例
当社『ゼファン』でも、劣化した屋根の葺き替えにあたって、「もっと軽い屋根にしたい」というご要望は多いです。
以下では、当社が施工した屋根の軽量化の事例をいくつか紹介いたします。
【1】瓦屋根(土葺き)を『ルーガ雅』に葺き替えて軽量化した事例
奈良県橿原市で行った、屋根の葺き替え工事です。元が土葺きということで、屋根は非常に重たい状態でした。
「家の”和”のイメージをなるべく崩したくない」ということで選ばれたのが、ハイブリッド瓦『ルーガ雅』でした。
『ルーガ雅』は和瓦のような曲線を持つ、その名の通り雅で重厚感のある佇まいが魅力です。しかも、見た目よりもずっと軽く地震に強い屋根材です。
《事例を詳しく見る方はコチラ》
⇒ 奈良県 橿原市 屋根葺き替え工事
【2】割れた陶器瓦の屋根を『ルーガ雅』に葺き替えて軽量化した事例
大阪府能勢郡で行った、屋根の葺き替え工事です。使用されている陶器瓦は、何枚か割れている状態でした。
現状の陶器瓦のイメージと1番近いので、ここでもハイブリッド瓦『ルーガ雅』が選ばれました。
『ルーガ』は「雅」の他にも、「鉄平」という種類があります。和風な「雅」に対し、「鉄平」は洋風なので、現代的なデザインの住宅にも合わせやすいことが強みです。
《事例を詳しく見る方はコチラ》
⇒ 大阪府 能勢郡 屋根葺き替え工事
【3】瓦屋根(土葺き)を『スーパーガルテクト』に葺き替えて軽量化した事例
兵庫県西宮市で行った、屋根の葺き替え工事です。元が土葺きで、屋根にかなり重みがかかっている状態でした。
屋根をしっかりと軽量化するために選んだのは、金属屋根材『スーパーガルテクト』です。
『スーパーガルテクト』は、軽量(和瓦の約10分の1)なだけでなく、屋根材と断熱材が一体化していることで、遮熱・断熱性能にも優れます。
「瓦の屋根は同じく瓦の屋根にしないといけない」と思っている人が多いですが、実はそんなことはなく、この事例のように和瓦⇒金属屋根に葺き替えることも可能です。
《事例を詳しく見る方はコチラ》
⇒ 兵庫県 西宮市 屋根葺き替え工事(瓦からスーパーガルテクトへ)
まとめ
以上、瓦の劣化の症状とその対処(メンテナンス)方法について、そして重たい屋根を軽量化する方法についてお伝えしました。
程度の軽い劣化なら部分補修でも何とかはなりますが、もし何十年も工事もしていないなら、1番安心なのは全面葺き替えです。
瓦の劣化をまとめて解決できるうえ、地震に備えた屋根の軽量化も叶えることができます。
部分補修が適しているのか、または全面葺き替えをしたほうが将来的にもいいのか、プロによく相談して判断しましょう!
⇒ 大阪で瓦屋根の葺き替え工事を行うなら年間2,000件の実績を持つ『株式会社ゼファン』にご相談ください。