- 屋根の修理方法には、どんな種類があるのだろう?
- 自分の家の屋根の場合、どの修理方法を選ぶことになるだろう?
今回のコラムでは、屋根の修理方法に関して、上記のような疑問を持つ人に役立つ情報を、大阪の屋根工事専門業者『ゼファン』がお届けします。
屋根の劣化症状に合わせて、選ぶべき屋根修理の方法は異なります。
また、屋根の応急処置なら自分でやることも可能ではありますが、簡単そうに見えても難易度が高い修理が多く、何よりも危険であるので、推奨はできません。
上記のようなことを解説していきますので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
屋根を修理する4つの方法
- 部分修理工事
- 屋根塗装工事
- 屋根カバー工法
- 屋根葺き替え工事
屋根を修理する方法には、大きく分けて4つの方法があります。
それぞれの修理方法について、以下で解説していきます。
【1】部分修理工事
屋根の全体ではなく一部分、例えばスレート屋根の釘の腐食が原因で、屋根材が数枚剥がれた時などに行うのが、屋根の部分補修工事です。
屋根の劣化状況によって、修理の内容は異なります。
例に挙げたスレート屋根の剥がれの場合だと、シーリング材などを用いて新しい屋根材と差し替えることが、一般的な修理内容です。
他にも、軽度なひび割れに対応するための「コーキング工事」や、台風や地震で屋根材が損傷した時の応急処置として「テープ補修」「ブルーシート補修」などがあります。
また、棟部の修理が必要なケースもあり、その場合は、「棟板金の交換」「棟瓦の交換」「漆喰の詰め直し」などが、行われます。
費用は修理の規模に大きく左右され、2~30万円程度です。
足場を組む必要がある場合は、かなり高くなってしまいます。
【2】屋根塗装工事
和瓦や天然スレート以外の屋根材には、10年目を目安に屋根塗装を行うことが推奨されています。
屋根塗装には、
- 色あせが気になる屋根を、屋根塗装で綺麗にする
- 艶がなくなった屋根を、屋根塗装で艶出しする
- 家の印象を変えるために、屋根塗装で屋根の色を変える
といったメリットがあります。
作業の手順としては、高圧洗浄機で汚れを洗い流した後に、下塗り・中塗り・上塗り塗料を塗って、仕上げることになります。
塗料には、「遮熱塗料」など様々な種類があって、それぞれ耐用年数や価格が違います。
屋根材の劣化が既に進んでいる場合は、屋根塗装ではなく、屋根カバー工法や、屋根葺き替え工事が行われます。
屋根塗装の費用は、一般的な2階建て住宅(塗り面積50~80㎡・足場代込)の場合、40万円以上が目安です。
<関連コラム>
→ 「屋根塗装は意味ない」と言われるのはどうして?屋根リフォームのプロが回答
【3】屋根カバー工法
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる工法の工事のことです。
屋根カバー工法は、屋根重ね葺き工事とも呼ばれます。
後述する屋根葺き替え工事と比較して、
- 工事費用を安く抑えられる
- 工事の期間が短い
- 屋根の防音性や断熱性が高まる
- アスベストの飛散リスクが低い
- 屋根の構造材がほとんど傷まない
といったメリットがあります。
特に屋根葺き替え工事と比較して、工事の期間が短いことは大きなメリットで、足場組立前後のブランク日や雨天日の影響を考慮したうえでも、屋根カバー工法は約10日~2週間で済みます。
(屋根葺き替えの場合は、上記と同じ条件で2週間~20日程度かかります。)
しかしデメリットもあって、
- 凹凸の大きい屋根には施工できない
- 使用可能な屋根材が限られている
- 屋根カバー工法は1度きりしかできない
- 火災保険の修繕で屋根カバー工法を行う場合、補償対象外となることがある
といった点に、注意しなくてはいけません。
なお、下地が傷んでいる場合など、屋根カバー工法が適さないケースもあります。
その場合は後述する、屋根葺き替え工事を選択します。
屋根カバー工法は、屋根塗装だけでは解決できない問題がある時かつ、屋根の下地にダメージがない時に、検討するとよいでしょう。
※雨漏りしている場合や低勾配の場合は葺き替えをオススメいたします!
屋根カバー工法の費用は、一般的な2階建て住宅(施工面積50~80㎡・足場代込)の場合、80~140万円程度が目安です。
※屋根の形・立地条件などにより金額が異なります。
※諸経費・交通費などは含まれておりません。
※詳しい屋根修繕・修理の費用は是非お見積もりをご相談下さい。
<関連コラム>
→ 屋根カバー工法のメリット・デメリットを解説!実際の施工事例も紹介
【4】屋根葺き替え工事
屋根葺き替え工事は、既存の屋根材を解体・撤去して、新しい屋根材に葺き替える工事のことです。
屋根材だけでなく、野地板や防水紙などの下地も新しくなります。
屋根葺き替え工事には、
- 次のメンテナンスまでの期間が長い
- 多くの選択肢から新しい屋根材を選ぶことができる
- 軽い屋根材に葺き替えれば、耐震性がアップする
- 下地の補強や断熱材の施工など、耐久性・性能向上のための工事が可能
といったメリットがあります。
- 屋根から雨漏りを起こしたことがある
- 20年以上住み続ける予定がある
- 2000年以前に建てられた木造住宅である
- 屋根にスレートや瓦を使いたい
といったケースでは、先述した屋根カバー工法ではなく、屋根葺き替え工事のほうが適しているでしょう。
屋根葺き替え工事の費用は、一般的な2階建て住宅(施工面積50~80㎡・足場代込)の場合、100~220万円程度が目安です。
※屋根の形・立地条件などにより金額が異なります。
※諸経費・交通費などは含まれておりません。
※詳しい屋根修繕・修理の費用は是非お見積もりをご相談下さい。
【屋根の劣化症状レベル別】屋根を修理する方法
「自分の家の屋根の場合、どの修理方法になるのだろう?」と考えている人に向け、以下では屋根の劣化症状レベル別の、屋根の修理方法について解説していきます。
【レベル1】ひび割れや小さな欠け
ひび割れや小さな欠けは、スレート屋根に多い劣化症状です。
屋根材のひび割れや小さな欠けは、割れている部分・欠けている部分に沿って、コーキングや補修材を充填して修理します。
他の部分とフラットになるように、コーキングや補修材を平らに伸ばすことが作業のコツです。
少しのひび割れや欠けだからといって放置していると、その割れ・欠け部分から水が入り込み、屋根材の劣化が一気に進んでしまいます。
また、ひび割れや欠けができているということは、塗膜全体の劣化が進んでいるということでもあるので、全面塗装をすることもおすすめです。
【レベル2】大きな割れや欠け
レベル1の場合よりも大きく、屋根材が割れたり欠けたりしている場合、部分的な張り替え工事が必要になります。
屋根材の大きな割れや欠けは、台風の後や地震の後に起きることが多いです。
スレート屋根の場合、屋根材は軒先から順に釘で固定されています。
よって、欠損した屋根材のみを差し替えようとすると、その下の防水紙まで傷める可能性があり、推奨できません。
該当のスレートと、それに干渉するスレートを全て剥がして新しくする必要があります。
【レベル3】広範囲の割れや欠け
レベル2の場合よりも広範囲にわたって、屋根材が割れたり欠けたりしている場合は、屋根カバー工法や屋根葺き替え工事によって、屋根を修理します。
「広範囲でも何とか部分補修で安くします」という業者もいるかもしれませんが、目先の価格だけで決めてしまうのは、おすすめできません。
今後も長く住むお住まいであれば、屋根の状態を長く維持できる有効な工事方法を選ぶようにしましょう。
まとめ
- 屋根の修理には大きく分けて4つの方法がある
- 家の屋根の劣化症状に合わせて、最適な修理方法がある
- 自分で屋根を修理することもできるが、しないほうがいい
以上、屋根の修理方法について、気になるポイントを解説しました。
記事のなかでも述べましたが、目先の費用の安さで修理方法を選ぶのではなく、「その修理方法がどのくらい長く有効なのか?」を重視して、修理方法を選ぶことがベストです。
屋根修理を依頼する業者を選ぶ際も、「この修理方法なら長く安全に(今のお家に)住まうことができる」という視点で、修理方法を提案してくれる業者を探すとよいでしょう。