台風が過ぎた後など、屋根が一部破損していることに気付くことがあります。
破損している部分を、自分で補修してもいいのでしょうか?
結論から言うと、屋根の工事は高所作業となり危険ですし、施工方法を間違えると雨漏りの原因にもつながりますので、DIYはおススメできません。
しかし災害時などでは、残念ながらなかなか専門業者に見てもらえない場合もございます。
そこで今回は、自分で屋根を補修する場合の方法とメリット・デメリットをご紹介します。
自分で屋根を修理するかどうかは、メリット・デメリットを踏まえて慎重に判断しましょう。
また、屋根補修を自分でする方法のほか、やっぱり業者に依頼すると判断する場合の、業者の選び方や費用の目安について、大阪の屋根・外壁工事店『ゼファン』が解説いたします。
屋根補修を自分でする3つの方法
- 防水テープを貼る
- コーキングで埋める
- 屋根瓦を(一部)交換する
自分で行う屋根補修には、上記のような方法があります。
いずれも、応急処置的な対応に留まることに、注意が必要です。
【1】防水テープを貼る
例えば屋根材に穴が開いてしまった場合、防水テープで応急処置をすることができます。
穴の周りに広めに、防水テープを貼りましょう。防水テープは、ホームセンターなどで購入することができます。
しかし、防水テープは長期間もちません。テープで雨漏りを防いでいるうちに、屋根の雨漏り補修専門の業者などに、相談をしましょう。
【2】コーキングで埋める
例えば屋根材がひび割れてしまった場合、市販のコーキング材で応急処置をすることができます。
コーキングを自分で綺麗に仕上げるには事前知識やコツが必要で、
- ハケなどを使って事前にホコリを取り除く
- 水分が残ったままで施工しない
- コーキング材の充填量は「少しだけ多め」
といったことに、気を付けないといけません。
また、むやみに隙間ぜんぶをコーキングで埋めてしまうことはNGです。
自分で「隙間」と判断した部分が、実は「排水溝」だったというケースが多くあり、その場合は雨漏りが発生・悪化するリスクが高くなります。
【3】屋根瓦を(一部)交換する
築20年以上経過した日本瓦などは、全部が釘打ちされていないので、自分で交換できることがあります。
- 軍手
- 金づち・ハンマー
- サンダー(刃はダイヤモンドカッター/瓦・タイル用)
- 土のう袋
- 交換用の瓦
上記の道具を準備して、
- 割れた瓦の破片をとりのぞく
- 真上の瓦を持ち上げ、割れた瓦を引き抜く
- 交換用の瓦の寸法調整をする
- 交換用の瓦を戻す
上記の流れで交換します。
しかし、新しい瓦を入れる際、なかなか入らないところを無理な力で押し込んだせいで、周辺の瓦を割ってしまうケースがよくあります。
DIYに不慣れな人は無理をせず、屋根瓦の交換はプロの業者に任せましょう。
屋根の補修を自分でするメリット
- 費用を抑えられる
- 悪徳業者に騙されることがない
- 業者の都合に左右されず、すぐ補修できる
屋根の補修を自分でやるメリットは、いくつかあります。
費用面については、あくまで応急処置とはいえ、業者に依頼するよりもずっと安く抑えることができます。
(屋根補修を業者に依頼する場合の費用については後述しますが、部分補修の場合、20~30万円で済むことが多いです。)
また、そもそも業者を使わないので、「悪い業者に騙されるのでは……?」という不安がなくなります。
さらに、業者の都合に左右されず、すぐ補修に取り掛かれることもメリットです。
例えば強い台風の後では、業者への依頼が混み合い、工事の開始がかなり先になってしまうことも珍しくありません。数ヶ月待ちというケースすらあります。
「数ヶ月も不安で待てない!」という人は、応急処置だけでも自分でしておくと、安心できます。
屋根の補修を自分でするデメリット
- 転落によるケガや熱中症のリスクがある
- うまく補修できず、始めから業者に頼む方が安くなることがある
- 直る保証がなく、修理前より状況が悪化するリスクがある
- 騒音や塗料の飛散対策ができず、近隣トラブルになる可能性がある
屋根の補修を自分でやる最大のデメリットは、やはり「危ない」ことです。
屋根の傾斜は遠目で見るよりもきつく、足元は不安定です。足を滑らせて落下し大ケガをしてしまうリスクがあります。
また、「補修してみたけれどうまく直らなかった」というケースは多いです。
うまく直らないだけならまだいいですが、先述したように、埋めてはいけない排水用の隙間を埋めてしまうなどして、雨漏りが発生・悪化するリスクが生じてしまうことが大きなデメリットとなります。
結局業者に頼み直すとなると、始めから業者に依頼をしておいた方が安く済むことが多いです。
さらに、業者がやるような騒音・塗料飛散対策も、素人では難しいので、近隣トラブルに発展してしまう可能性があります。
以上のようなデメリットから、「基本的に自分で屋根の補修をすることはオススメしていない」のです。
【やっぱり業者に屋根の補修を任せる場合】いい屋根補修業者の選び方
ここまでの情報から、「自分で屋根の補修をするのはやめよう」と思った人も多いと思います。
やっぱり業者に屋根を補修を任せる場合に気になるのは、「悪い業者にあたったらどうしよう……」ということですよね。
実際、屋根の補修を任せる業者は、慎重に選ぶに越したことはありません。
まずは、
- インターネットで検索する
- 知人や自治体に紹介してもらう
- 家を建てたハウスメーカーや工務店に相談する
- チラシ・広告から探す
などして、屋根補修を頼めそうな業者をいくつかピックアップしてみましょう。
そして、「必要な屋根工事が得意な業者を選ぶ」ことが必要です。
というのも業者によって、「何の工事が得意なのか」は違います。
工務店なら小回りの効いたスピーディな工事が、塗装業者なら塗装工事が、屋根の専門業者なら小規模~大規模な工事が得意です。
業者の公式サイトにある「事例」「施工実績」などを見て、普段どんな工事を行っているのかを確認しましょう。
また、口コミは参考になりますが、口コミ「だけ」で決めることはオススメしません。
いい口コミも悪い口コミも、書き込みした人の主観でしかないからです。
最後に、1社ではなく、2〜3社に相見積もりを取ってください。
見積もりの基準や項目が明確かどうか、費用が高すぎたり安すぎたりしないか、保証制度はあるかなど、細かくチェックしましょう。
<詳しくはコチラ>
→ 失敗しない屋根工事の相見積もり!見積もり業者を選ぶ基準や手順について解説
屋根の補修を依頼する場合にかかる費用
屋根の補修費用は、補修範囲や傷みの進行具合によって、異なります。
もちろん、業者によってやお住まいの地域によっても変わるので、あくまで目安ではありますが、部分補修に必要な費用は以下の通りです。
- 屋根の雨漏り 20万~35万円
- 雨樋の修理 10万~30万円
- 屋根棟の修理 20万~35万円
- 漆喰補修 3,500円~/m
- スレート屋根の部分修理 15万~30万円
- 瓦屋根の部分修理 15万~30万円
また、もし全体補修(屋根リフォーム)が必要になった場合の費用は、以下の通りです。足場代は含めずに、算出しています。
- 屋根葺き替え工事(スレート) 80万〜180万円
- 屋根葺き替え工事(瓦) 95万~200万円
- 屋根カバー工事 60万~120万円
屋根補修の費用に火災保険が使えるケースもある
屋根補修の費用に、火災保険が使える可能性があります。
というのも、火災保険は火事だけでなく、風災や雹災(ひょうさい)、雪災にも適用されるケースがあるのです。
- 屋根の破損が災害によるものであること
- 屋根修理が必要になってから3年以内に申請を行うこと
- 屋根修理の費用が20万円以上であること
上記が、屋根の補修に火災保険が適用される、主な条件です。
火災保険の申請を検討する場合は、屋根補修を依頼する業者選びの時点で、被災に対する見積もりができる業者を選ぶ必要があります。
悪徳業者による、火災保険活用を利用した詐欺被害が少なからず発生しているため、業者選びには十分注意しましょう。
屋根補修に使える補助金はある?
結論を先に述べると、経年劣化に伴う屋根の機能改善、あるいは機能維持を目的とする屋根補修の場合は、補助金による支援がほぼ期待できません。
雨漏りの修理や、屋根カバー工法・屋根葺き替え工事に使える補助金は、ほとんどないでしょう。
しかし、耐震性能を上げることを目的とする「1980年以前の建築物の屋根葺き替え」や、エネルギー対策を目的とする「遮熱塗料を用いた屋根塗装」などについては、補助金の対象になることがあります。
国の住宅リフォームの支援制度や、自治体ごとのホームページなどを検索・確認してみましょう。
まとめ
以上、「屋根を自分で補修してもいいの?」という疑問に、お答えしました。
記事中でも述べたように、屋根を自分で補修することはできますが、オススメはできません。
あくまで応急処置にしかならなかったり、うまく補修できなくて状況が悪化したり、屋根から転落して怪我をするリスクがあるからです。
部分的な補修であっても、やはり屋根工事専門の業者に見せることが推奨されます。
屋根の補修を依頼する業者を選ぶときは、業者のホームページなどを参考に、「どんな補修工事が得意な業者なのか?」を確認して、慎重に選びましょう。相見積もりも推奨です。