こんにちは、屋根修理と外壁修理のプロ集団・ゼファンです。
今回は、住宅屋根の中でも、近年の家づくりでは無視されがちになっている『軒』について簡単にご紹介していきたいと思います。皆さんは『軒』と聞いて、住宅のどの部分を指しているのかすぐにイメージできるでしょうか?最近では、『軒』自体が無い家も増加しているため、「軒って何?」「軒って必要なの?」といったような疑問を持つ方も非常に多くなっていると思います。
『軒』というのは、住宅屋根において外壁から突き出た部分のことを指しており、一昔前であれば『軒下』や『軒先』なんて言葉が日常会話の中にも普通に登場するほど一般的な住宅部位です。しかし、前述の通り、近年の家づくりでは、『軒』のことを全く考慮せずに家の設計を行い、実際に住み始めてから軒の短さや軒が無いことにデメリットを感じてしまう…という方が増加していると言われています。
そこでこの記事では、普段あまり気にすることのない住宅の『軒』について、軒がある住宅はどのような利点があるのかについて簡単にご紹介していきたいと思います。現在、新築戸建て住宅の購入をご検討中の方であれば、絶対におさえておきたい情報ですので、ぜひ最後までご確認ください。
軒の基礎知識と軒が短くなっている理由とは?
それではまず、「軒って何?」という方のため、軒の基礎知識から簡単にご紹介していきたいと思います。
冒頭でご紹介したように、『軒』は、住宅の外壁面よりも張り出している屋根部分の総称です。通常は、屋根の下側全体を意味しているのですが、築年数が経過した日本建築であれば、ほぼ確実にそれなりの長さの軒が存在します。
しかし近年では、東京や大阪など、都会の戸建て住宅になると、軒が極端に短い、もしくはそもそも軒が無い住宅というものが増加しています。かつての日本の住宅事情を考えてみると、全ての家に「軒の出」があったと言えるほどなのですが、比較的新しい住宅では、軒が無いのが当たり前のようになってきています。
それでは、最近の住宅に軒が無いのはなぜなのでしょうか?実は「軒のデメリットを考えて…」などといった理由ではなく、以下のような理由なのです。
軒が短い(無い)理由は?
- 住宅の敷地面積が狭くなったから
都市部では土地価格が高いなどという理由で、住宅の敷地が狭くなっています。敷地が狭いと、どうしても隣地境界の制限などもあり、軒を短くするかない…というケースが多いです。 - 住宅デザインの関係
敷地が狭いことで、ビルのように縦長の住宅デザインが増加しています。このようなデザインになると、長めの軒が好ましくないと考えられ、短くされています。 - 住宅価格の競争
住宅の価格競争も原因です。長い軒を作る場合、材料費や職人の手間賃がかかりますので、住宅の価格が上がってしまいます。したがって、販売しやすい価格にするため、軒の短いまたは無い住宅を積極的に販売しているのが現状です。
上記のように、現在の住宅に軒が無いのは、住宅の機能性とは全く別の理由があるのです。実は、昔ながらの『軒』には、非常に多くのメリットが存在していますので、以下でご紹介しておきます。
軒の機能性と必要性について
それではここからは、軒があることによって得られる機能性や、なぜ軒が必要なのかについて簡単にご紹介していきましょう。「最近の住宅に軒が無いのならいらないのでは?」と考えてしまう方も多いのですが、軒があることによってどんな機能性が得られるのかをきちんと理解したうえで、本当に不要なのかを判断したほうが良いです。
POINT軒がもつ機能性について
まずは、軒があることによって得られる機能性についてご紹介します。住宅に軒がある場合、以下のような機能性が得られます。
- 外壁を保護できる
軒は「外壁よりも張り出した屋根の部分」とご紹介しました。これがあることによって、太陽光や風雨の影響を軒が防いでくれるようになり、外壁が保護されます。 - 日差しの調整をしてくれる
軒が無い住宅の場合、夏の強い日差しが窓や外壁に直接あたり、室温を余計に上昇させます。軒は、こういった夏場の直射日光を防いでくれます。また、冬場に関しては日射角度が低くなるため、日差しを遮ることはなく、室温の低下はありません。このように、季節に応じた日差しの調節をしてくれるという機能性を持っています。 - 雨除けになる
軒は窓の上にあるため、雨天時には雨除けの役目を果たしてくれます。強風を伴う横殴りの雨でない限り、軒が雨除けになって、窓から雨水が吹き込んでしまう…なんてことを防いでくれます。
POINT軒の必要性について
日本国内の戸建て住宅は、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」と3つの種類が存在します。そして、どのような構造の住宅だとしても、軒がある住宅の方が建物の耐久性を高めることができると言われています。
特に木造建築の場合は、軒のあるなしで建物の耐久性に雲泥の差が出てしまうと言われています。というのも、木造建築は主材料が木ですので、水との相性があまりよくないのです。例えば、長時間木材を水に浸けておけば腐食して、脆くなりますし、『乾燥 ⇔ 湿潤』を繰り返すような環境でも木材自体が傷んでしまいます。
つまり、気象条件などによって、乾燥と湿潤を繰り返すことになる住宅は、軒が非常に重要な役割を果たすと言われているのです。実際に、木造住宅の場合、軒の有無で建物の耐久年数に倍近くの差が出てしまうと言われています。
なお、敷地面積などを理由に「どうしても軒がつけられない…」という場合もあると思います。そういった場合には、外壁をタイル張りにするなど、外壁内への雨水の浸込みをなるべく防止するような工夫を行うのがオススメです。
まとめ
今回は、近年軽視されることが多くなってきた『住宅の軒』についてご紹介してきました。一昔前までの住宅であれば、外壁から約90cm程度の軒を設けておくことが普通でした。この軒は、日差しの調節や外壁に直接雨水が当たらないようにするなど、建物を長く良い状態で保つために非常に重要な役割を担っているものなのです。しかし、そういった機能性を知らない人であれば、あっても無くてもよさそうなものだし、住宅の価格が下がるなら「軒なんてなくても構わない」と考えてしまうものなのです。
特に近年では、都市部の土地が非常に高くなっていることから、狭い土地にどのようにして家を建てるのか?という視点で家づくりが進んでいます。このような状況になると、隣地境界の関係から十分な軒を確保するのが難しくなってしまい、住宅の販売業者も「軒のない家」を積極的に提案する状況になってしまっているのです。
この記事でご紹介したように、軒というのはあるだけで建物の耐久性に非常に有効な部位となります。したがって、可能なのであれば『軒』のある家を作る事がおすすでです。
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