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2019.07.25

屋根修理にカバー工法を選ぶ前に知っておきたい基礎知識!保険を利用してカバー工事できる条件は?

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こんにちは、屋根修理と外壁修理のプロ集団・ゼファンです。
今回は、屋根リフォーム手法の一つ『カバー工法』の基礎知識についてご紹介します。カバー工法とは、葺き替え工事や屋根塗装などと並び、屋根全面の改修工事を進めるための手法の一つとなります。簡単に説明すると「既存屋根の上から、そのまま金属屋根などを重ねて葺いていく」工法を指しています。
特に、コロニアルなどのスレート屋根の改修工事で、屋根業者さんから提案されることが多い工法となります。コロニアルなどのスレート屋根は、軽量かつ施工が容易ということもあり、初期費用が安い屋根材として有名です。そのため、近年の新築戸建て業界ではスレート屋根の採用率が最も高くなっており、現在スレート屋根の建物に住んでいるという方も多いでしょう。しかし、スレート屋根というのは、屋根材の色あせによる美観の低下などもあり、10年程度に一度の再塗装が必要になります。また、築30年を超えると塗膜が形成できなくなるため、屋根材ごと入れ替える大幅な改修工事を必要とするのです。屋根改修の場合には、既存屋根材を剥がして、新たな屋根材を葺いていく葺き替え工事もあるのですが、撤去工事や廃材の処分費などもあり高額になってしまいます。そのため開発されたのが『カバー工事』で、既存屋根の上から新しい屋根材を葺いていくため、撤去・処分費用を必要とせず、安価な屋根改修工事を実現するのです。
今や、スレート屋根のリフォーム手法として「最もスタンダード」といわれるほど普及していますので、ぜひこの機会にカバー工事の基本ぐらいおさえておきましょう。

カバー工法の基礎知識

それではまず、カバー工法がどのようなものなのかを簡単にご紹介しておきましょう。冒頭でもご紹介したように、カバー工法はコロニアルなどを利用しているスレート屋根の改修工事で主に利用される手法となり、既存屋根の上から新たな屋根材を葺いていくものです。そのため、施工後の屋根は二重構造となるため、「重ね葺き」「重ね張り」「被せ張り」などとも呼ばれます。
カバー工法では、主にガルバリウム鋼板製の金属屋根素材が利用されることが多く、最近ではカバー工法に採用しやすいように考えられた金属屋根材なども登場しています。屋根が二重構造となるため、「重くなるのが心配…」という方もいるかと思いますが、金属屋根は非常に薄く軽量なので、建物の耐震性能にもそこまで大きな悪影響はないと言われています。
ただし、「既存屋根の上から施工を進める」ということから、どのような屋根でもカバー工法を採用するということはできません。例えば、激しい劣化がある屋根などであれば、屋根下地の補修などが必要になるため、カバー工事ではなく、屋根下地からやり替えることができる葺き替え工事が必要になります。したがって、将来的に安価なカバー工法で屋根リフォームをしたいと考えるのであれば、定期的に屋根の劣化状況を確認しておかなければならないでしょう。

Meritカバー工法のメリット

それでは、屋根リフォームにカバー工法を利用する場合のメリットをご紹介しておきましょう。

  • 安価に屋根改修ができる
    カバー工法は、上述したように、既存屋根の撤去が無いため、葺き替えなどと比較すると、施工費用が安価になります。
  • 工期が短くて済む
    カバー工法は、既存屋根の撤去工事が無いため、工期が短くなるのもメリットです。
  • 屋根のさまざまな性能が上がる
    屋根が二重構造となるため、断熱性・防音性・防水性などの性能が高くなります。

Demeritカバー工法のデメリット

どのような施工方法でもいくつかのデメリットは存在しています。以下で、カバー工法で屋根改修を進める場合のデメリットもご紹介しておきましょう。

  • 屋根が重くなる
    既存屋根の上から新たな屋根材を葺いていくため、元の屋根よりも重量がアップしてしまうのはデメリットでしょう。ただし、軽量な金属屋根材で施工を進めるのがほとんどですので、それでも和瓦よりも軽量な屋根になります。
  • 既存の屋根材による不具合の可能性
    古くなった化粧スレートは、多少の水分を含んでいることがありますし、スレート屋根の重ね部分には雨水が滞留していることがあります。カバー工事は、そういった水分を中に閉じ込めてしまうため、湿気がこもってしまい、屋根下地の木材を腐食させてしまうことがあります。

屋根リフォームに火災保険を利用するには?

それでは最後に、上記のような屋根リフォームに火災保険を利用するための条件をご紹介しておきましょう。火災保険と聞くと、火事に対する補償で屋根リフォームには関係ない…と思う方もいますが、実はいくつかの条件を満たしていれば屋根リフォーム費用を火災保険で補償してもらうことができるのです。
火災保険には、「風災補償」というものがあり、この特約が付いている保険なら、台風や突風などによって被害を受けた屋根の修理を保証してもらうことができるのです。さらに、強風の基準も「最大瞬間風速が秒速20メートル以上」ですので、ちょっと強いと思う風なら風災の対象になります。以下で、保険対象となる屋根被害の例をあげておきますので参考にしてください。

  • 強風によって棟板金などが飛散した、浮いてしまった…
  • 強風によって屋根材が飛散した、ズレてしまった…
  • 強風によって軒天や破風板が剥がれた…
  • 強風や雪によって雨どいが歪んでしまった…
  • ヒョウによって屋根の破損や割れが生じた…

上記のような被害は、火災保険を利用して屋根修理をすることが可能です。ただし、保険会社の鑑定によって、「経年劣化による屋根修理」などと判断される場合は保険が適用されません。

関連記事:知っておきたい保険の基礎知識!火災保険の補償範囲ってどこまで?
関連記事:屋根修理に火災保険が使用できる仕組みは?
関連記事:屋根修理に火災保険を適用する場合の申請方法って?

カバー工法は劣化が進行しすぎるとNGです!

今回は、カバー工事で屋根リフォームを進めるなら、ぜひ知ってカバー工法の基礎知識をご紹介しました。本稿でもご紹介したように、カバー工事は葺き替え工事と比較すると、安価に工事を進めることができる点や、短期間で工事が完了するということが大きなメリットとなります。
ただし、屋根の劣化が進行しすぎてしまうと、このカバー工法によるリフォーム手法が採用できず、屋根下地から補修する葺き替え工事を選ばなければならない場合もあります。屋根というものは、台風や地震などといった大きな要因がない場合でも、紫外線や風雨の影響で少しずつ劣化が進行しているものです。そのため、定期的な点検やメンテナンスを怠ってしまうと、カバー工法を採用したくても条件的にできない…なんて場合があるので注意しましょう。
最後に、近年では屋根リフォームに火災保険を適用したいという人が増えていますが、火災保険はあくまでも強風による屋根被害を補償してくれるものです。業者によっては、「強風など、いつでも吹いているからテキトーな日付の強風で屋根が壊れたと言えば無料で屋根修理が可能!」などと強引な営業をかけて来る場合もありますが、保険会社の鑑定人に見抜かれてしまうと、実費での工事となってしまいます。したがって、ウソをついてまで保険を利用しようなどとは考えない方が良いですよ!

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