「屋根瓦の不具合は今のところないけれど、何十年も点検していない」という方は、そろそろ葺き替えが必要なのではないかと思っているのではないでしょうか。
瓦屋根の葺き替えが本当に必要なのかどうか、またどのような屋根材に葺き替えることができるのかなど、さまざまな疑問が浮かぶでしょう。
この記事では、瓦屋根に関して、葺き替え工事をするメリットや、葺き替えが必要な時期を解説します。
瓦屋根にはさまざまな種類があり、耐用年数も種類によって異なります。この記事を読めば、瓦屋根の種類ごとに葺き替え工事の適切なタイミングを把握できます。
実際に瓦屋根からほかの屋根材に葺き替え工事した事例も紹介しますので、参考にしてください。
瓦屋根はほかの屋根材に葺き替えできる!
瓦屋根は、ほかの屋根材に葺き替えることができます。既存の瓦屋根と同じ屋根材にしなければいけないということはありません。
瓦屋根は耐用年数が長く、メンテナンスの頻度が少なくて済むのが魅力です。しかし、重量があり地震時に建物に対する負荷が大きくなるため、金属屋根やスレート屋根などの軽量な屋根材に比べると建物の耐震性が劣る点や、地震や台風で瓦が落ちてくることがある点などがデメリットとして挙げられます。
瓦屋根からほかの屋根材に葺き替えすればさまざまなメリットを得られます。
瓦屋根の葺き替え工事をするメリット
瓦屋根の葺き替え工事をするメリットは、次の3点です。
- 家の寿命が延びる
- 耐震性が向上する
- 外観を新しくできる
それぞれを詳しく解説します。
家の寿命が延びる
適切な屋根材で瓦屋根の葺き替え工事をすれば、家の寿命の延伸が期待できます。古い屋根材を取り除き新しいものに変えるため、工事後の屋根は新品同様になるからです。
これからも長くお住まいになる家の場合は、屋根の葺き替え工事をすれば安心です。メンテナンスの時期になったら、一度屋根の状態を業者に確認してもらうのがおすすめです。
耐震性が向上する
屋根の重さと耐震性は大きく関係しています。屋根材が重いとその分家の揺れ幅が大きくなるため、家へのダメージは大きなものに。そのため、屋根材を軽量化すれば、耐震性が向上します。
例えば、ガルバリウム屋根は瓦屋根の約8分の1の重さです。屋根材を変えるだけで、大きく耐震性を高められます。
日本は地震や台風などの自然災害が多いですが、屋根材をより安全なものに変えておけば、いざというときも安心でしょう。
外観を新しくできる
家の外観を変えられるのも、屋根の葺き替え工事のメリットです。
家の外観をガラッと変えたい場合は、屋根のメンテナンスの時期に葺き替え工事をすれば家の雰囲気を変えることができます。デザイン性が高い屋根材も豊富なので、おしゃれな外観にしたい方はこだわりの屋根材を選んでみてはいかがでしょうか。
次の記事では、瓦屋根からガルバリウム屋根に葺き替えることに関して、メリットやデメリットなどを詳しく解説しています。瓦屋根の葺き替え工事について詳しく知りたい方は参考にしてください。
→ 瓦屋根からガルバリウム屋根への葺き替えは可能!耐震性など様々なメリット
瓦屋根の葺き替え工事のパターン例と費用目安
瓦屋根の葺き替え工事は、家の寿命の延長や耐震性の向上などさまざまなメリットがあります。
続いては、瓦屋根から葺き替える屋根材の種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリット、費用などを解説します。
- 瓦屋根から「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」のルーガ雅(同質仕様)
- 瓦屋根から「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」のルーガ鉄平(メタル仕様)
- 瓦屋根から「スレート」のカラーベスト(コロニアルグラッサ)
- 瓦屋根から「ガルバリウム鋼板」のスーパーガルテクト
詳しく見ていきましょう。
瓦屋根から「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」のルーガ雅(同質仕様)
ルーガとは、日本の大手屋根製造会社、ケイミュー社の商品の一つ。軽い屋根材のため耐震性に優れています。また、物が当たっても割れにくい素材なので、台風で物が飛んできたときに家を守ってくれます。
また、外部からの熱や雨音が室内に伝わりにくい素材なので、心地良い住まいを実現できるでしょう。
ルーガ雅は、和瓦に近いデザインです。細部にまでこだわったデザインが、家の魅力を引き出します。和風住宅や、モダンな雰囲気の屋根にしたい方におすすめです。
施工費用の目安:18,500円~/㎡
瓦屋根から「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」のルーガ鉄平(メタル仕様)
ルーガ鉄平は、ルーガ雅と同様、ケイミュー社のルーガの屋根材。平たいデザインが特徴です。自然石の風合いを再現し、重厚感や高級感があります。洋風住宅や、すっきりとした印象の屋根にしたい方におすすめです。
施工費用の目安:17,500円~/㎡
瓦屋根から「スレート」のカラーベスト(コロニアルグラッサ)
カラーベストとは、ケイミュー社が販売するストレート屋根の商品。カラーベストにはさまざまなラインナップがあり、コロニアルグラッサはカラーベストの一つです。和風や洋風、モダンまで、どのような住宅にも合うデザインです。
カラーベストは、高密度で均一な屋根材で、衝撃にも強いのが特徴。台風で物が飛んできても安全です。
施工費用の目安:15,000円~/㎡
瓦屋根から「ガルバリウム鋼板」のスーパーガルテクト
スーパーガルテクトとは、金属外壁材を扱うアイジー工業の商品の一つです。表面材に「超高耐久ガルバ」が使用されています。遮熱性鋼板と断熱材の相乗効果で、断熱性能が高いのが特徴。軽量なので、耐震性も高い屋根材です。
スーパーガルテクトは高級感漂う質感なので、デザインにこだわりたい方にもおすすめです。
施工費用の目安:17,500円~/㎡
瓦屋根のリフォーム費用と工事の種類については、次の記事でも詳しく解説しています。
【瓦屋根別】瓦屋根の葺き替え工事が必要な時期とは
瓦屋根の種類によって、葺き替えが必要な時期は異なります。続いては、瓦屋根の葺き替え工事が必要な時期を解説します。
- 既存屋根が「和瓦(粘土瓦)」の場合
- 既存屋根が「釉薬瓦(陶器瓦)」の場合
- 既存屋根が「洋瓦(粘土瓦)」の場合
- 既存屋根が「無釉薬瓦(いぶし瓦・素焼き瓦など)」の場合
- 既存屋根が「セメント瓦・モニエル瓦(コンクリート瓦)」の場合
既存屋根が「和瓦(粘土瓦)」の場合
和瓦(粘土瓦)は、日本で古くから屋根材として利用されている瓦屋根です。耐用年数は50~100年と非常に長いのが特徴。
しかし、メンテナンスは20~30年ごとに実施するのが望ましいです。漆喰の補修や防水シートなどが傷んでくるので、メンテナンスの時期に合わせて業者に確認してもらいましょう。
既存屋根が「釉薬瓦(陶器瓦)」の場合
釉薬瓦(ゆうやくがわら)は陶器瓦ともいい、瓦の表面に釉薬をコーティングした瓦のこと。陶器瓦ともいいます。表面がガラス質になっているので、水が浸透しません。そのため、耐用年数は半永久的です。
しかし、漆喰部分や下地の防水シートは経年劣化していくので、定期的なメンテナンスが必要です。また、地震や台風などで瓦のずれや割れが生じた場合は、補正する必要があります。
既存屋根が「洋瓦(粘土瓦)」の場合
洋瓦(粘土瓦)とは、海外の住宅のようなおしゃれな瓦のことです。粘土を焼いて形成される瓦を利用しています。耐用年数は、40~50年。
洋瓦のなかでも粘土瓦の場合は塗装が不要です。しかし、瓦のずれや割れなどがあれば地震や台風の際に落下してきて危険なため、定期的に点検するのがおすすめです。
既存屋根が「無釉薬瓦(いぶし瓦・素焼き瓦など)」の場合
無釉薬瓦(いぶし瓦・素焼き瓦など)とは、釉薬を塗っていない瓦のことです。お寺や神社に利用されています。
耐用年数は30~60年。しかし、経年劣化により表面の炭素被膜が剥がれると耐水性が悪くなってくるため補修が必要です。
既存屋根が「セメント瓦・モニエル瓦(コンクリート瓦)」の場合
セメント瓦とは、セメントを主成分とした瓦のことです。またモニエル瓦は、セメントに砂利を混ぜたコンクリートです。
耐用年数はいずれも20~40年。しかし、両方とも塗装が紫外線や雨風などの影響で劣化するので、10~20年ごとに塗装が必要です。
瓦屋根の葺き替えについては次の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
→ 自宅の屋根瓦の交換をお考えの方へ|費用目安と工事期間、事例も紹介
瓦屋根から他の屋根材に葺き替えした事例4選|実際の費用も
当社ゼファンで行った「屋根瓦から他の屋根材に葺き替えした事例」を紹介いたします。
事例1. 瓦屋根から「ルーガ雅(同質仕様)」に葺き替え
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
212万円 | 120㎡ | 10日間 |
瓦の重厚感はそのままに、重量は1/2以下に軽量化され、強い衝撃にも割れにくい屋根瓦になりました。
事例解説:
→ 大阪府 堺市 屋根葺き替え工事 和瓦からルーガ(ROOGA)雅へ
事例2.瓦屋根から「ルーガ鉄平(同質仕様)」に葺き替え 174万円
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
174万円 | 78㎡ | 1週間 |
瓦屋根から雨漏りしているとのことで、瓦屋根からルーガ鉄平に葺き替え工事を実施しました。下地も数か所傷んでいたので、修理、補強も実施しました。
事例解説:
事例3. モニエル瓦から「ルーガ鉄平(メタル仕様)」に葺き替え 153万円
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
153万円 | 88㎡ | 4日 |
モニエル瓦からルーガ鉄平(メタル仕様)に葺き替え工事を実施しました。瓦、漆喰共に劣化が目立っていたので、ルーガ鉄平を提案しました。
事例解説:
事例4. モニエル瓦から「ルーガ鉄平(同質仕様)」に葺き替え 96万円
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
96万円 | 50㎡ | 4日間 |
モニエル瓦からルーガ鉄平(同質仕様)に葺き替え工事を実施しました。近隣の方から、屋根が割れていると教えていただいたとのことで、現地調査をしたところ瓦が5・6枚割れていました。瓦の補修が難しかったので、ルーガ鉄平への葺き替えを提案しました。
事例解説:
事例5. 瓦屋根から「コロニアルグラッサ」に葺き替え
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
63万円 | 43㎡ | 1日 |
「経年劣化のため、瓦屋根から薄い屋根材に葺き替えたい」とお客様からお問合せをいただきました。ケイミュー社のコロニアルグラッサでの屋根葺き替え工事を行った事例です。
事例解説:
→ 大阪府 箕面市 屋根葺き替え工事(コロニアルグラッサへ)
事例6. 瓦屋根から「スーパーガルテクト」に葺き替え
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
320万円 | 172㎡ | 3週間 |
雨漏りしている所が何カ所かあり、屋根を軽量瓦にしたいとご要望頂きましたのでスーパーガルテクトを提案させて頂きました。
事例解説:
まとめ
瓦屋根は、ほかの屋根材に葺き替えることができます。瓦屋根は耐久性に優れていますが、重い素材のため耐震性が劣ります。ほかの屋根材に葺き替えれば、家の寿命が延びるだけでなく耐震性が向上するので、瓦屋根のメンテナンスが気になっている方は一度ゼファンにご相談ください。
弊社は、瓦屋根の葺き替え工事の実績が豊富です。調査の段階から自社の職人が担当しますので、お客様にとって最適なご提案をさせていただきます。気になることや不安なことがあれば、お気軽にご相談ください!
下記ページで、瓦屋根の葺き替え工事の施工事例を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。