自社倉庫の屋根に雨漏りがあり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、倉庫の屋根に発生する雨漏りの原因や放置した場合のリスク、補修方法などを紹介します。
雨漏りにはさまざまな原因があり、補修方法も多数存在します。
補修は屋根修理業者に依頼することが多いものの、倉庫に使われる屋根材の種類も含め、雨漏りの原因や補修方法を把握しておくことが大切です。
今回は雨漏りの原因だけでなく、屋根修理業者であるゼファンで提案している雨漏り工事の費用相場や雨漏りの応急処置(予防対策)についても紹介しています。
自社倉庫の雨漏りに悩んでいる、雨漏りの再発を防止したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
倉庫の雨漏りを放置したらどうなる?
倉庫の雨漏りを放置すると、設備や製品に雨水があたり、劣化や汚損したりする可能性があります。
また、水濡れにより機械がショートし、火災が発生することも考えられるでしょう。
倉庫内に雨水が入り込んできても、少量であれば問題ないと考えている方もいるかもしれません。
しかし、雨漏りを放置することでさまざまなリスクがあることを知れば、すぐに補修した方がいいとわかります。
次の項目では、倉庫の雨漏りを補修する主な工法について解説します。
倉庫の雨漏りを補修する工法
倉庫の雨漏りを補修する工法には、以下が挙げられます。
- 屋根カバー工法(重ね葺き)
- ボルトキャップカバー
- 屋根の部分補修
屋根工事で多く取り入れられる「葺き替え」ですが、倉庫の雨漏りに関しては対応できません。
屋根がない状態になるため倉庫として使用できなかったり、倉庫内のものをすべて移動することが必要になったりといった理由があるためです。
また、倉庫の屋根は解体すると骨組みだけになってしまうため、内側にも足場を組まなければなりません。
これらの理由から、倉庫の屋根には葺き替え工事ではなく、上述した工法がメインで取り入れられます。
また、屋根塗装工事に関しても、すでに雨漏りしている屋根には向きません。
塗装では雨漏りの補修ができないためです。
雨漏りする前の状態で、屋根が板金、かつサビがひどくない場合であれば、屋根塗装工事もおすすめです。
倉庫の屋根のメンテナンスとして推奨できます。
屋根塗装工事の詳細については、ゼファンにて掲載している以下の記事をご覧ください。
ゼファン|屋根塗装って絶対に必要?塗装の必要性とその理由をご紹介!
屋根カバー工法(重ね葺き)
屋根カバー工法(重ね葺き))とは、既存の屋根に新しい屋根材を重ね張りする工法のことです。
すべての屋根を撤去する葺き替えとは異なり、今の屋根がある状態のまま施工できるため、倉庫の屋根を補修する工法としても取り入れられます。
ゼファンで実施した、88折板でのカバー工法の写真を掲載しているので施工後のイメージにお役立てください。
カバー工法の詳細については、ゼファンにて掲載している以下の記事もご覧ください。
ゼファン|工場や倉庫の屋根をカバー工法でリフォーム|費用目安と事例も紹介
ボルトキャップカバー
ボルトのサビが原因で雨漏りする場合は、ボルトキャップカバーを取り付けるのみで完結します。
ボルトキャップカバーとは、サビたボルトを保護する役割を持つパーツのことです。
キャップカバーを取り付けるだけで完結するので、比較的短期間でかつ低価格で補修できます。
屋根の部分補修
切妻屋根・片流れ屋根の外壁より屋根が出ている部分のうち、雨樋がついていない部分を指す「ケラバ」や、頂上部分の「棟」など、雨漏りが目立つ箇所のみを重点的に補修する場合もあります。
大型倉庫の場合、雨漏りの箇所が大きく、部位ごとに適した工法を取り入れなければならない可能性も少なくありません。
雨漏りが発生している箇所を業者に見てもらい、最適な工法を選択するのがおすすめです。
倉庫に使われる主な屋根材
ここでは、倉庫に使われる主な屋根材と、その特徴を簡単にまとめています。
自社倉庫の屋根がどれに該当するのか事前に把握するうえで、役立ててください。
また、ここで挙げる屋根材別の特徴については、以下の記事でも紹介しています。
ゼファン|工場や倉庫の屋根をカバー工法でリフォーム|費用目安と事例も紹介
屋根材 | 特徴 |
---|---|
小波スレート | JIS A 5430で定められた幅が720mmの繊維強化セメント板高い耐久性が特徴 |
大波スレート | JIS A 5430で定められた幅が950mmの繊維強化セメント板耐久性だけでなく遮音性にも優れている |
折半屋根 | 断面が台形形状の金属鋼板ガルバリウム鋼板・フッ素鋼板・カラーステンレスなどが使用される価格が高い |
瓦棒屋根 | コの字の溝板の両脇に瓦棒が一定間隔で並んでいる屋根 |
倉庫の屋根から雨漏りが発生する原因
ここでは、倉庫の屋根に雨漏りが発生する主な原因について紹介します。
屋根材の劣化
既存の屋根材そのものが劣化し、耐久性が落ちていることで穴が開いて雨漏りすることがあります。
築年数が長いにもかかわらず屋根材を交換したことのない倉庫であれば、劣化による雨漏りが発生しやすいといえるでしょう。
以下の写真のように劣化が激しい屋根材は、雨漏りが発生しやすい状態になっています。
ボルトのサビ
屋根材を固定する役割を持つ「ボルト」が、雨でサビてしまうことで雨漏りの原因になります。
ボルトがサビてしまうと締め付けがゆるくなり、隙間が生じるためそこから雨水が入り込みます。
台風などで屋根材の形状が変化して隙間が空く
台風などで大雨・強風にさらされた屋根が変形し、そこに生じた隙間から雨漏りが発生します。
屋根の形状が変わるほどの被害は雨漏りだけでなく、安全面の不安も生じるため、すぐに修理を依頼しましょう。
雨漏り工事を含めた費用相場
ゼファンでは、雨漏り工事を含めた費用に関しては以下のように見積もりを出しています。
雨漏り工事に必要な費用項目を把握するうえでの参考にしてください。
摘要 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 備考 |
■屋根カバー工法 | ㎡ | |||
既存ボルトカット清掃 | ㎡ | 150~300 | 既存:波板スレート | |
リファインルーフ635・650t=0.5mm | ㎡ | 4,500〜5,000 | 既存:波板スレート | |
棟用ケミカル面戸 | ㎡ | 800~1,200 | 既存:波板スレート | |
改修用タイトフレーム | ㎡ | 1,500~2,000 | 既存:折板屋根 | |
88折板t=0.6mm | ㎡ | 4,500~5,000 | 既存:折板屋根 | |
エプロン面戸 | ㎡ | 1,500~1,800 | 既存:折板屋根 | |
棟板金厚み=0.5mm | ㎡ | 4,000~5,000 | ||
ケラバ板金厚み=0.5mm | ㎡ | 4,000~5,000 | ||
雨押え板金厚み=0.5mm | ㎡ | 4,000~5,000 | ||
材料搬入費 | 1 | 式 | 35,000~50,000 | |
材料荷揚げ・荷卸しレッカー費 | 1 | 式 | 5,000~8,000 /日 | |
諸経費・現場管理費 | 1 | 式 | 見積額の3%~5% |
※オプションメニュー (屋根の形状により異なります)
摘要 | 単位 | 単価(円) |
ベンチレーター廻り板金仕舞い | 箇所 | 25,000~35,000 |
軒先R加工 | 枚 | 6,000~8,000 |
ケラバあおり止めL型アングル | 個 | 1,600 ~ 2,000 |
明かり取り | 枚 | |
その他工事 | ||
・外壁張り替え工事 | ||
・外壁カバー工事 | ||
・雨樋交換工事 |
倉庫の雨漏り修理業者の選び方
倉庫の雨漏り業者は、どのような方法で雨漏りを見つけているのか事前に把握することで選びやすくなります。
ここで紹介する雨漏りの見つけ方を参考に、自社で依頼する業者選びの基準を設定しましょう。
また、ここでは業者を選ぶ際の注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
業者が実践している雨漏りの見つけ方
雨漏りを補修してくれる業者は、目視だけでなく豊富な経験をもとにした「触診」や「打診検査」などを実施しています。
目視のみで判断する業者だと、当日になって何らかのトラブルが発生するかもしれません。
また、屋根が高い位置にある場合は、ドローンでの調査を実施する場合もあります。
梯子では登れない箇所の雨漏りを的確に発見できるので、補修方法や費用なども最適なものを提案してくれるでしょう。
ほかにも、屋根に水をかけて雨漏りを再現する形で原因をはっきりさせる「散水調査」や、赤外線カメラや特殊なガスを送り込んで雨漏りの原因を調査する業者もいます。
ここで紹介した方法を実践している業者は、雨漏りの補修における経験が豊富だと判断できます。
業者が実践している雨漏りの見つけ方は、こちらでも詳しく解説しているのでご覧ください。
ゼファン|雨漏り箇所の見つけ方 | プロにしかできない調査と修理方法とは?
注意点
上記で紹介した方法を実践していない業者は、悪徳業者とまではいかなくとも「経験値が少ない」といった点で依頼することに不安を感じるでしょう。
依頼前に「どのような方法で雨漏りを見つけているのか」事前に問い合わせるのがおすすめです。
また、極端に安い金額を提案してきたり、見積もりを取らずに対応可能だとアピールしてくる業者は、悪徳業者の可能性が高いでしょう。
屋根の工事は安全に関わる非常に重要なものであるため、悪徳業者に引っかからないよう慎重に選ばなければなりません。
業者の作業前にできる応急処置
業者が作業に入る前の時間も、雨漏りによる水の侵入は続いています。
以下に挙げる方法を「応急処置」として実践することで、さらなる水濡れや機械の故障などを防止できるでしょう。
- ビニールシート・バケツを置く
- 吸水シートを敷く
- 防水テープを貼り付ける
- コーキング材でひび割れを埋める
これらの方法は応急処置だけでなく、雨漏りの再発防止策としての効果も期待できます。
雨漏りを補修したあとに実施すれば、再び雨漏りが発生しないようにできるでしょう。
とはいえ、業者に頼まず処置できる部分は限られています。
自分たちだけで処置するのが危険な場合などは、やはり業者への依頼を検討すべきです。
雨漏りの応急処置に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ゼファン|雨漏り箇所の見つけ方 | プロにしかできない調査と修理方法とは?
まとめ
今回は、倉庫の屋根に雨漏りが発生する原因や補修方法、費用相場や業者の見つけ方について紹介しました。
雨漏りは応急処置を施すことで、再発防止にもつながるため本記事で紹介した方法をぜひ実践してみてください。
ゼファンでは、倉庫の屋根に発生した雨漏りの補修も対応可能です。
実績も豊富であるため、倉庫の雨漏り補修を依頼する業者が決められないと悩んでいる方は、ぜひゼファンへの依頼をご検討ください。