当社『ゼファン』を含め、多くの屋根リフォーム業者がオススメしている屋根材の1つに「ディプロマット」があります。
ディプロマットはアメリカの会社で作られている、金属屋根材です。
超軽量・高耐久であることが特長で、屋根葺き替え工事にも、屋根カバー工事にも採用することができます。
今回の記事では、「ディプロマットの屋根にすると、どういいのだろう?」と考えている人に向け、ディプロマットの屋根の特徴・メリット・デメリットなどを、一挙紹介していきます。
記事の後半では、実際に当社『ゼファン』がディプロマットの屋根リフォームを行った事例を複数紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「ディプロマット」とは?
「ディプロマット(ディプロマットスター)」は、アメリカにある高耐久屋根材のパイオニア、『株式会社ディートレーディング』が製造・販売している、輸入屋根材のことをいいます。
ディプロマットは、ガルバリウム鋼板と同じ組成の「ジンカリウム鋼板」が基材となっています。
次のメリットの項目で詳述しますが、ディプロマットはとても軽量であることや、セラミックコートされた自然石粒による熱伝導率の低さなどが特長的です。
現在ディプロマットは、世界70ヵ国以上で幅広く採用されていますが、日本での普及度はこれからといったところです。
断熱性や遮音性といった、金属屋根の弱点を克服したディプロマットは、品質性・生産性・安全性の高さから、アメリカの最高機関として知られている「UL(Underwhiters Laboratories Inc)」に登録され、さらには国際品質管理規格「ISO9001」の認証も取得しています。
<ディプロマットの仕様>
- 材質 :ジンカリウム鋼板0.39mm(自然石粒仕上げ)
- 寸法(mm) :1350 × 405
- 働き寸法(mm) :1300 × 362
- 1枚あたりの重量 :2.54kg
- 1㎡あたりの枚数 :2.13枚
- 施工可能な屋根の範囲:2.5寸勾配以上
- カラーバリエーション:4色(テラコッタ/カフェ/エバーグリーン/オニキス)
- 役物 :標準GL鋼板役物仕様/同質役物仕様
ディプロマットの屋根の8つのメリット
- 軽量なので耐震性が高い
- 台風などの風に強い
- 夏でも涼しく過ごしやすくなる
- 金属屋根に特有の雨音があまりしない
- 多層構造なので耐久性が高い
- 約30年、見た目の美しさが長持ちする
- 雪止めがなくても、雪が大きく滑落する心配がない
- 様々なリフォームに対応できる
ディプロマットの屋根には、多種多様なメリットがあります。
それぞれのメリットについて、以下で簡単に解説していきます。
【1】軽量なので耐震性が高い
ディプロマットの屋根は、とても軽量です。日本瓦・セメント瓦の約7分の1、平板スレート屋根材の約3分の1しか、重さがありません。
当然ですが、同じ壁量に対して、重い屋根よりも軽い屋根のほうが、建物の耐震性がアップします。
ディプロマットは、日本のように地震が多い国で特にオススメできる屋根材です。
【2】台風などの風に強い
「軽量だと風に弱いのでは?」と気になる人も多いと思います。
しかしディプロマットは、強い台風でも飛んでいかないように、「インターロッキング工法」という方法で、施工されるので安心です。
インターロッキング工法とは、屋根材を重ねて嵌合(かんごう)し、建物本体に強く固定する工法のことをいいます。
具体的には、風速60m/sの暴風にも耐えることができます。
【3】夏でも涼しく過ごしやすくなる
ディプロマットの見た目の最大の特徴は、セラミックコートされた自然石粒です。
自然石粒は、見た目に味があるだけでなく、鋼板層への熱伝導率を低くする役割があります。
夏のうだるような暑さを軽減してくれるので、エアコンの稼働効率などが上がり、お家で涼しく過ごしやすくなります。
【4】金属屋根に特有の雨音があまりしない
ディプロマットの自然石粒による表面の凹凸は、雨粒を拡散してくれます。
金属屋根に特有のパタパタ音があまりしないので、雨の日でも部屋の中でくつろぎやすくなります。
【5】多層構造なので耐久性が高い
ディプロマットの構造は、以下のような多層構造になっています。
- トップコート(クリア)
- 自然石粒層(セラミック石粒)
- ベースコート(石粒層を鋼板に接着する層)
- 化成被膜層(プライマー処理)
- ジンカリウム(ガルバリウム)メッキ層
- ベーススチール(基材の鋼板)
- 裏面 ジンカリウムメッキ層+化成被膜層+サービスコート
これによって、ディプロマットの屋根は、高い耐久性を実現できます。
【6】約30年、見た目の美しさが長持ちする
ディプロマットの基材であるジンカリウム鋼板には、「製品30年保証」があります。
また、ディプロマットの表面にコーティングされている自然石粒の色付けには、陶器瓦と同じ釉薬(ゆうやく・うわぐすり)が採用されており、約30年間耐久性が維持されるだけでなく、見た目の美しさも維持されます。
【7】雪止めがなくても、雪が大きく滑落する心配がない
ディプロマットは、セラミックコートされた自然石粒で仕上げられています。
この自然石粒は、強い摩擦抵抗力を持っています。
そのため雪止めがなくても、雪が大きく滑落する心配がほとんどありません。
冬場の雪処理のわずらわしさや、雪下ろし時の作業の安全性などに大きく貢献しています。
【8】様々なリフォームに対応できる
ディプロマットは屋根葺き替え工法でも、屋根カバー工法でも、採用することができます。
またディプロマットは、金具を取り付けるだけで、太陽光パネルが簡単に設置できます(一般的な屋根材に太陽光パネルを設置する場合、穴を開けたり、寸法に合わせてカットしたりと、複雑な加工が必要です)。
ディプロマットは、太陽光パネルの設置を検討している人にも向いている屋根材なのです。
ディプロマットの屋根の2つのデメリット
- 「カラーバリエーションが少ない」と感じる人もいる
- 勾配によっては設置できないことがある
「しいて言うなら」という程度のものですが、ディプロマットの屋根にはいくつかのデメリットもあります。
それぞれのデメリットについて、以下で簡単に解説していきます。
【1】「カラーバリエーションが少ない」と感じる人もいる
現状、ディプロマットのカラーバリエーションは、テラコッタ(赤茶色)/カフェ(茶色)/エバーグリーン(緑色)/オニキスの4色(黒色)です。
この4色で、和風屋根にも洋風屋根にも十分対応はできるのですが、「色がこれだけしかないのか……」と感じる人も、いるにはいると思います。
【2】勾配によっては設置できないことがある
ディプロマットは、「2.5寸以上の勾配がある屋根」でないと設置できません。
例えば屋根が比較的大きく、さらに勾配が緩い住宅においては、ディプロマットを葺くことができないケースがあります。
ディプロマットの屋根はこんな人にオススメ
- 自然災害に強い屋根にしたい人
- 保証が充実している屋根にしたい人
- 金属屋根が良いけどうるさい屋根は嫌な人
- 2階や屋根裏の暑さを緩和したい人
- 太陽光発電を検討している人
自然災害に強い屋根にしたい人
ディプロマットは、軽いため建物の耐震性が高く(=地震に強く)なり、なおかつ固定方法が先述の「インターロッキング工法」で、強い風速にも耐えられます。
よって地震や台風など、自然災害に強い屋根にしたい人にはオススメです。
保証が充実している屋根にしたい人
ディプロマット屋根は、基材のジンカリウム鋼板に30年保証が付与されています。
保証が充実している屋根にして、メンテナンスコストを削減したい人にはオススメです。
金属屋根が良いけどうるさい屋根は嫌な人
金属屋根は、雨音がうるさいことが弱点です。
しかしディプロマットは、表面の自然石粒が雨粒を拡散して、雨音を小さくすることができます。
2階や屋根裏の暑さを緩和したい人
ディプロマットには、優れた遮熱性能があります。
2階や屋根裏の暑さを緩和したい人には、オススメです。
太陽光発電を検討している人
ディプロマットは、金具を取り付けるだけで、太陽光パネルを簡単に設置できます。
また、太陽光発電の撤去やパネルの交換も手軽にできるため、将来的にも安心です。
ディプロマットの屋根リフォームの施工事例
以下では、当社『ゼファン』が実際に行った、ディプロマットの屋根リフォームの施工事例をいくつかご紹介します。
【1】ディプロマット(色:エバーグリーン)の屋根葺き替え工事 守口市
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
ー | 65平米 | 1日 |
大阪府守口市で、ディプロマットの屋根葺き替え工事を行いました。色はエバーグリーンです。
既存のカラーベストは、経年劣化が進んでいました。
屋根カバー工法も選択肢にはありましたが、太陽光パネルが載っており、屋根カバー工法だと屋根が重たくなってしまうので、葺き替え工事を提案しました。
屋根の天窓は、板金でカバーしました。
<事例を詳しく見る>
→ 大阪府 守口市 屋根葺き替え工事
【2】ディプロマット(色:テラコッタ)の屋根カバー工事 摂津市
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
総額124万円(税込) | 38平米 | 1週間 |
大阪府摂津市で、ディプロマットの屋根カバー工事を行いました。色はテラコッタです。
当社で工事を行った家の、裏手の家のお客様からの依頼でした。
既存カラーベストは経年劣化があるものの、雨漏りはしておらず、お客様の今後のライフプランも考慮したうえで、屋根カバー工法を提案しました。
屋根カバー工事のほか、外壁塗装とコーキング工事も同時に行いました。
屋根工事については、屋根の形状がシンプルだったこともあり、わずか1日で仕上げることができました。
<事例を詳しく見る>
→ 大阪府 摂津市 屋根重ね葺き・正面外壁塗装工事
【3】ディプロマット(色:オニキス)の屋根カバー工事 滋賀県湖南市
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
100万円(税込) | 69平米 | 3日 |
滋賀県湖南市で、ディプロマットの屋根カバー工事を行いました。色はオニキスです。
既存の屋根材は経年劣化が進み、台風によって一部が飛んでしまっていました。
ただ雨漏りはしておらず、お客様の今後のライフプランを考慮したうえで、屋根カバー工事を提案しました。
<事例を詳しく見る>
→ 滋賀県 湖南市 屋根重ね葺き工事
【4】ディプロマット(色:エバーグリーン)の屋根カバー工事 堺市
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
168万円(税込) | 115平米 | 4日 |
大阪府堺市で、ディプロマットの屋根カバー工事を行いました。色はエバーグリーンです。
当初、「既存のカラーベストから雨漏りしている」とお問い合わせがありました。
調査の結果、以前の他社での塗装工事の際、縁切り作業(スレート屋根を塗装した後に、塗膜でくっついた部分を手作業で切って隙間を開ける)を行ってないために、雨漏りがしていると発覚しました。
屋根が大きいこともあり、軽量かつ耐久年数が長いディプロマットで、屋根カバー工事を行うことを提案しました。
<事例を詳しく見る>
→ 大阪府 堺市 屋根重ね葺き工事
まとめ
以上、ディプロマットの屋根の特徴・メリット・デメリットを、事例を併せてご紹介しました。
自然災害に強い家に住みたい人や、暑い夏でも過ごしやすい家に住みたい人などに、ディプロマットの屋根はとてもオススメです。
屋根リフォームをするなら、ディプロマットを使うことを、ぜひ検討してみてくださいね。