瓦屋根のメンテナンスをいつ実施すべきか、わからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか、自宅の瓦屋根の劣化具合を把握するポイントを知っておかなければ、メンテナンスをいつすべきか明確にはできません。また、瓦屋根に必要なメンテナンスを知っておくことも大切です。
今回は、瓦屋根をメンテナンスする時期・工法を紹介します。
瓦屋根を自分で補修するのは難しいため、今回紹介するのはあくまで業者へ依頼する前提での情報です。ゼファンで実施した瓦屋根のメンテナンス事例も紹介しているので、自宅の瓦屋根のメンテナンスを検討している方はぜひ参考にしてください。
瓦屋根をメンテナンスするか判断するポイント
瓦屋根をメンテナンスすべきか判断する際は、屋根材にひび割れ・欠けがあったり、漆喰が劣化していたりするかがポイントです。
ひび割れ・欠け
ひび割れや欠けの原因は、外部からの衝撃です。主に、強風で何かが飛んできて、それが瓦に当たることでひび割れ・欠けが発生します。屋根のすぐ近くにあるアンテナが倒れて、瓦屋根を傷つけてしまうこともあります。台風などの自然災害の後や屋根から異音が聞こえた際は念のため業者にチェックしてもらい、メンテナンスすべきか判断してもらいましょう。
漆喰の劣化
漆喰は「棟瓦(むねがわら)」と呼ばれる屋根の頂上にある部分を固定するセメントのようなものを指します。漆喰の劣化を放置すると、棟部分のずれ・ゆがみが発生して内部に水が侵入するため、劣化した際はメンテナンスが必須です。漆喰の劣化具合は見た目で判断しにくいため、劣化症状が出やすいとされる「15年前後」を目安に業者へのチェックを依頼しましょう。
地震によるズレ
瓦は、地震が原因でズレてしまいやすい屋根材です。これは、地震の揺れで瓦に「慣性の力」が加わるためです。慣性の力は、物体が重ければ重いほどかかりやすくなります。瓦屋根はほかの屋根材と比べて重いため、地震による揺れでズレやすいのが特徴です。大きな地震があったり、頻繁に地震が起こったりしたら、念のため業者にズレがないか確認してもらいましょう。
瓦屋根のメンテナンス時期の目安
瓦屋根の最適なメンテナンス時期は、屋根瓦の種類によって異なります。例えば、粘土瓦は、屋根に設置してから約20年がメンテナンス時期の目安です。また粘土瓦に比べて安価で取り付けられるセメント瓦は、塗装が剥がれやすいため15年周期でメンテナンスが必要とされています。
また、以下の症状が見られた際も、瓦屋根のメンテナンスが必要とされています。
- 瓦にコケ・藻が付く
- 瓦の抜け落ち
- 屋根のたわみやゆがみ
- 雨漏り
また、できるだけメンテナンス頻度を抑えたい方は、釉薬瓦(陶器瓦)という屋根瓦がおすすめです。釉薬瓦とは、粘土を成型したあとにガラス質の釉薬(うわぐすり)を塗布して焼き固めた瓦です。耐用年数が「半永久」といわれているため、メンテナンスの必要がほとんどありません。
屋根瓦ごとの特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。
ゼファン|自宅の屋根瓦の交換をお考えの方へ|費用目安と工事期間、事例も紹介
瓦屋根の主なメンテナンス方法
ここでは、瓦屋根の代表的なメンテナンス方法について解説します。
瓦を差し替える
瓦が割れたり、塗装が劣化したりした際は、瓦そのものを差し替える方法が取り入れられます。既存のものと同じ屋根瓦を用意できれば、古い屋根瓦と交換するだけで実施できるため時間がかかりません。ただし、屋根瓦が見つからなかった場合、差し替えた瓦と他の部分で色や質感が異なる場合もあります。
漆喰を詰め直す
漆喰が剥がれると雨水が入り込みやすくなり、雨漏りや土の流れ込みが発生します。そのため、耐用年数を目安に漆喰の状態をチェックし、漆喰を詰め直す必要があります。瓦屋根の家は棟部分に漆喰を積むことで成型されているのが特徴です。漆喰は瓦を固定するために棟瓦・平瓦の間に塗られていますが、年数が経つとともに徐々に剥がれていきます。
棟瓦を取り直す
棟瓦とは、屋根の頂上部分に積み上げられている瓦です。本来、真っ直ぐの状態になっていなければならないものの、地震や劣化が原因で湾曲・崩壊することがあります。棟瓦が崩れると他の瓦も固定されなくなるため、瓦の落下や捲れ(めくれ)、雨漏りの原因になるでしょう。
屋根葺き替え工事
既存屋根が瓦屋根の場合、メンテナンス工法としては「屋根葺き替え工事」が多く取り入れられます。
屋根葺き替え工事とは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に張り替える工法のことです。瓦屋根から、別の素材に張り替えることも可能です。ゼファンでは防災瓦(ルーガ)や、スレート、ガルバリウム鋼板など様々な商品を使用しています。
屋根葺き替え工事は下地部分も補強するため、劣化した強度面も元に戻すことが可能です。ただし、費用が高額になり、施工期間が長くなるデメリットも存在します。
瓦の葺き替え工事について、材料別に紹介している内容もあわせて掲載しているので、瓦屋根のメンテナンスを実施するうえでの参考にしてください。
瓦屋根のメンテナンスにかかる費用・期間
瓦屋根のメンテナンス工法である屋根葺き替えにかかる費用・期間は、以下を参考にしてください。
<費用相場>
屋根材の種類 | 工事費用(一般住宅) |
屋根瓦→防災瓦(ルーガ) | 18,500~円/㎡ 約314万円 |
屋根瓦→スレート屋根 | 15,000円~/㎡ 約258万円 |
屋根瓦→スーパーガルテクト | 17,500円~/㎡ 約295万円 |
<工事期間の目安>
屋根材の種類 | 工事期間(一般住宅) |
屋根瓦→屋根瓦 | 約4日~6日(職人4人) |
屋根瓦→スレート屋根 | 約2日~4日(職人4人) |
屋根瓦→ガルバリウム鋼板 | 約2日~4日(職人4人) |
詳細は下記記事に書いています。
ゼファン|自宅の屋根瓦の交換をお考えの方へ|費用目安と工事期間、事例も紹介
瓦屋根からの葺き替え事例
ここでは、瓦屋根からの葺き替え事例をご紹介します。当社ゼファンのおすすめ商品です。
1.京都府長岡京市 屋根葺き替え工事(ルーガ雅)
こちらの施工事例は京都府長岡京市で行った『屋根葺き替え工事』になります。
商品はケイミュー社の「ルーガ雅」で、 色はモダン・グレーです。
事例解説:
2.兵庫県尼崎市 屋根葺き替え工事(ルーガ鉄平)
こちらの施工事例は兵庫県尼崎市で行った『屋根葺き替え工事』になります。ルーガ鉄平(洋風)を使用しています。
事例解説:
3.兵庫県西宮市 屋根葺き替え工事(瓦からスーパーガルテクトへ)
こちらの施工事例は兵庫県西宮市で行った「屋根葺き替え工事」になります。
商品はIG工業のスーパーガルテクト/シェイドブラウンです。
事例解説:
以上、当社ゼファンでの瓦屋根からの葺き替え事例をご紹介しました。
瓦屋根のメンテナンスに保険は適用できる?
台風や暴風、大雪などの自然災害で瓦屋根が破損した場合、火災保険を利用して0円で補修できます。ゼファンでの火災保険適応までの流れは、以下のとおりです。
- 現地調査(ゼファン)
- 見積もり調査(ゼファン)
- 保険会社への申請手続き(お客様)
- 申請内容の確認・鑑定(保険会社)
- 保険金のお支払い(保険会社)
ただし、経年劣化や人的被害で屋根材が破損した場合は、火災保険の適応対象外となるため注意してください。
瓦屋根をはじめとした屋根材のメンテナンスに火災保険を適応する場合の詳細は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、瓦屋根をメンテナンスすべき時期を判断するポイントや主なメンテナンス方法について紹介しました。瓦屋根をメンテナンスすべきかは、耐用年数などを基準にひび割れや漆喰の劣化をチェックし、そのうえで業者に相談することで判断できます。屋根瓦の種類によって最適なメンテナンス時期も異なるため、いずれにしろ業者の判断を仰ぎましょう。
また今回は、瓦屋根のメンテナンス工法として取り入れられる屋根葺き替え工事や、メンテナンスの費用相場や工事期間にも触れています。保険が適応されることもあるため、一度ゼファンにお問い合わせのうえ、瓦屋根をメンテナンスすべきかどうか決定しましょう。
大阪の屋根工事・屋根修理・屋根塗装・雨漏り修理は株式会社ゼファンへ(大阪・京都・奈良・兵庫・滋賀対応)