こんにちは、屋根修理と外壁修理のプロ集団・ゼファンです。
今回は、年々その人気が高くなっている金属屋根素材のガルバリウム鋼板についてご紹介したいと思います。日本国内における金属屋根と言えば、長らく『トタン』と呼ばれるタイプの金属が用いられていたのですが、トタンは耐久力に問題があり、築数年で表面にサビが浮いてしまう…などと言った弱点があり、近年では一般住宅の屋根材として利用される事はほとんどありません。そして、このトタン屋根に代わって登場したのがガルバリウム鋼板屋根と呼ばれる製品で、このサイト内でも何度か屋根材のメリットをご紹介しています。
ガルバリウム鋼板は、トタンなどに比較すると、金属なのに非常にサビに強く、耐久力が高いという特徴を持っています。さらに、薄い板状に成形されますので、他のどの屋根材よりも軽量で屋根重量の軽量化を実現し、建物の耐震性向上を実現することができるのです。こういった素材的なメリットから、ガルバリウム鋼板は、スレート屋根のカバー工事の際に新たな屋根材として採用することや、瓦屋根の軽量化のためガルバリウム鋼板屋根に葺き替えるなど、屋根リフォーム業界ではかなり昔から非常に高い人気を誇っていたのです。新築業界では、スレート屋根が長らくトップシェアを誇っていたのですが、ガルバリウム鋼板屋根の耐久力の高さや建物への負担軽減などのメリットが認められ、2017年にはガルバリウム鋼板屋根がスレート屋根に代わってトップシェアを誇るようになっているのです。
ガルバリウム鋼板屋根は、さまざまな屋根材が存在する中で、軽量さや耐久力の高さなど、屋根に必要な性能を全て備えていると言われるほど優秀な屋根材です。しかし、特定の条件下にあるお宅では、ガルバリウム鋼板屋根の耐用年数を短くしてしまう場合があると言われているのです。そこでこの記事では、ガルバリウム鋼板の寿命を縮めてしまう可能性がある条件についてご紹介します。
関連記事:自然災害対策を考えたら金属屋根(ガルバリウム鋼板)がオススメ?金属屋根のメリットと主要メーカーの製品比較について
ガルバリウム鋼板の特徴とそのメリット
それではまず、ガルバリウム鋼板の基礎知識と、外壁や屋根材として考えた場合の素材的メリットについてご紹介しておきます。ガルバリウム鋼板は、近年、外壁や屋根材として採用されることが増えてきた金属板です。ただし、「ガルバリウム鋼板」という名称は、あくまでも日鉄住金鋼板株式会社の製品名で金属の名称ではありません。
このガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のアルミ亜鉛合金をメッキした金属板で、外壁材や屋根材として利用される場合には、これを成型して作ります。この鋼板は、アルミニウムの特徴である『耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性』と、亜鉛の『犠牲防食機能』を併せ持っているため、従来の鋼板と比較して、かなり耐久力に優れるのが特徴なのです。なお、最近では、上記の配合に2%のマグネシウムを添加した『SGL(エスジーエル)』と呼ばれるものも登場しています。これはスーパーガルバリウムなどとも呼ばれ、従来のガルバリウム鋼板より、さらに防錆性や耐久性が高くなっています。
一般的にですが、ガルバリウム鋼板の耐用年数は、25~30年程度と言われています。さらに、サビへのメンテナンスをしっかりと行っている場合には、40年以上の耐久性維持を期待できると言われるなど、非常に高い耐久力を誇るのです。以下に、建材としてみた場合のメリットも簡単にご紹介しておきます。
- 軽量で建物への負担が少ない
ガルバリウム鋼板は、金属なのですが非常に軽量だということが大きなメリットです。そのため、この素材を外壁や屋根に使用した場合、建物への負担軽減と耐震性向上などを実現できるというメリットがあります。 - 金属なのにサビにくい
ガルバリウム鋼板の大きな特徴は、金属なのにサビにくいということです。建材として考えた場合、サビは建物に多くの悪影響を与えるものですので、放置するわけにはいきません。例えば、サビが広がると美観を壊してしまいますし、穴が開いて雨漏りの原因になってしまうこともあります。ガルバリウム鋼板は、従来の金属素材と比べ、圧倒的にサビに強いと言われるのが特徴です。 - 耐久年数が長い
上述したように、ガルバリウム鋼板は、非常に耐久力が高いというメリットも持っています。古くから建材として活用されていたトタンは、5~10年程度が寿命だと言われるのに対し、ガルバリウム鋼板の屋根材は20年以上の耐用年数に設定されるのが普通です。さらにきちんとメンテナンスを行えば40年程度も利用できるなど、非常に長く使用できるというメリットがあるのです。
ガルバリウム鋼板の寿命を縮めてしまう条件とは?
上述したように、ガルバリウム鋼板は金属なのにサビに強く、非常に耐久力が高いのが特徴です。最近では『SGL』を素材とした屋根材も多く登場していますが、これらはメーカー保証が20年を超えるような物も当たり前に存在するなど、非常に高い耐久力を発揮するのです。
ただし、ガルバリウム鋼板にも苦手な条件というものがありますので、いくつかの特定条件下で採用した場合には、耐用年数が短くなってしまう危険があるのです。ここでは、ガルバリウム鋼板の耐用年数に悪影響を与えるいくつかの条件をご紹介しておきます。
case1海岸が近い地域
ガルバリウム鋼板は、サビに強いとはいえ、金属に間違いありませんので『塩害』には注意が必要です。「絶対にサビない」というわけではありませんので、海岸に近い地域ほどサビやすくなってしまうのです。
したがって、一般的なガルバリウム製品に関しては、海岸沿いから5km圏内の地域は保証対象外となってしまいます。なお、ガルバリウム鋼板をさらに改良した『SGL』の場合は、塩害の影響も受けにくくなっていますので、海岸沿いから500m以遠であればメーカー保証を受けることができます。
case2粉塵が多い地域
近くに粉塵を出す工場がある…や、学校のグランドがあり風で粉塵物が良く飛来する…などと言った場所は注意が必要です。粉塵物の中には、ガルバリウム鋼板の腐食を促進させてしまう物質が含まれている場合がありますので、長く粉塵の影響を受け続けた場合、本来の耐用年数より前にダメになる場合があるのです。
case3落ち葉が多い家
これは少し驚きかもしれませんが、屋根に多くの落ち葉が溜まるような場合、ガルバリウム鋼板の腐食を招いてしまう可能性があります。実は木片や落ち葉がガルバリウム鋼板に接触した場合、電食作用が起こってしまい、ガルバリウム鋼板の腐食を招いてしまうことがあるのです。
したがって、庭に屋根よりも高い木がある、庭木の枝が外壁に接触している、山に面して家が建っているという場合、小まめに落ち葉などの処理をする必要があります。
case4雨が当たらない場所
建物に使用される金属素材については、雨が良く当たる場所の方がサビやすいと考えている方が多いことでしょう。しかしそれは間違いで、実は雨が当たらない場所の方がサビが発生しやすくなるのです。
したがって、ガルバリウム鋼板に関しても、屋根より外壁の方がサビに悩まされることが多くなります。これは、雨が当たりにくい場所は、ホコリなどの付着物が洗い流されることなく、長くとどまってしまうことになるからなのです。家周りで、雨が当たりにくいと思う場所は、定期的にお掃除してあげることが建物を長持ちさせるコツになります。
case5勾配が緩い屋根
勾配が緩いガルバリウム鋼板屋根は、傾きが急な屋根よりも耐用年数が短くなる恐れがあります。なぜかと言うと、屋根の排水が難しくなり、水たまりができてしまいやすくなるからです。
あまり知られていませんが、非常にサビに強いと言われるガルバリウム鋼板でも、表面に水たまりができてしまうと、腐食スピードが10倍近くまで早くなると言われているのです。したがって、緩勾配の屋根にガルバリウム鋼板を採用している住宅であれば、小まめに屋根面にサビが発生していないか点検するのがオススメです。
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まとめ
今回は、屋根や外壁の素材として年々その人気が高くなっているガルバリウム鋼板の注意点についてご紹介してきました。ガルバリウム鋼板は、屋根材としてみた場合、非常に軽量で耐震性の高い建物を実現できると言う点で高い人気を誇るようになっています。さらに、金属なのにサビにも強く、非常に高い耐久力も持っているうえ、メンテナンス性まで高い、まさに理想の屋根材と言えるような素材となっています。実際に、ゼファンでもよく利用するアイジー工業のスーパーガルテクトは、「変褪色20年保証・赤さび20年保証・穴あき25年保証」という非常に長いメーカー保証がついていますので、安心して採用することができるでしょう。
しかし、この記事でもご紹介したように、ガルバリウム鋼板にも苦手とする条件があり、特定の条件下では耐用年数が短くなってしまうことがあるのです。現在、屋根の軽量化などを考えて、金属屋根への葺き替えをご検討中の方は、メリット面だけを見るのではなく、注意点やデメリットもしっかりと調べた上で採用しましょう。
ゼファンは、自社職人及び専属外注の職人集団で屋根修理・雨漏り修理を行っているプロ集団です。調査の段階から自社の職人が行いますので、正確に原因を突き止め、屋根に最適な修繕方法をご提案しております。関西一円(大阪・神戸・兵庫・京都・奈良・滋賀)で屋根のお困りごと(屋根修理、雨漏り修理)がございましたらお気軽にご相談ください!
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