屋根材が割れていたり、棟板金が浮いていたりした際の修理方法として、葺き替え工事が挙げられます。
屋根材の劣化だけでなく、雨漏りの際にも取り入れられる工法です。
しかし、葺き替え工事にかかる費用相場がわからず、悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、葺き替え工事を業者に依頼する場合にかかる費用相場を、ゼファンで実際に施工した屋根材の事例別に紹介します。
また、できるだけ費用を抑えて葺き替え工事を実施するコツを、葺き替え工事と混在しやすい「屋根重ね葺き工事(カバー工法)」も交えながら解説しています。
工法としての概要も振り返りながら、自宅の屋根を葺き替え工事する際の参考にしてください。
屋根葺き替え工事にかかる費用相場を屋根材別に紹介
ここでは、実際の葺き替え工事にかかる費用相場を、ゼファンで実施したことの多い屋根材の事例から抜粋して紹介します。
なお今回は、以下の条件での費用相場を掲載しています。
- 屋根面積50~100m²
- 足場費用は含めない
上記の面積はあくまで一般的な戸建て住宅の屋根面積です。
屋根が広くなると、そのぶん費用が高くなります。
屋根材別の葺き替え内容 | 費用相場(税抜) |
---|---|
和瓦屋根からガルバリウム鋼板 | おおよそ100~200万円 |
和瓦屋根からスレート瓦 | おおよそ75~150万円 |
スレート瓦からガルバリウム鋼板 | おおよそ80~160万円 |
葺き替え工事は元の屋根材から全く新しいものに変えられる工法で、葺き替えできない屋根材などもありません。
屋根重ね葺き工事(カバー工法)との違いを把握しておくことも大切
葺き替え工事の費用相場と合わせて覚えておきたいのが、カバー工法とも呼ばれる「重ね葺き工法」です。
ここでは、重ね葺き工法の概要や費用相場、工事を実施できる屋根材について紹介します。
屋根重ね葺き工法(カバー工法)とは?
重ね葺き工法とは、屋根材を新しいものに交換する屋根葺き替え工事とは異なり、既存の屋根材に新しい屋根材を重ねる工法のことです。
屋根材が明らかに劣化している場合や、屋根材が寿命を迎えた場合に実施します。
重ね葺き工法のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
既存の屋根を解体しないため、手間と費用が掛からない 既存の屋根を解体しないため、施工期間が短い 廃棄物が出ないため、エコなリフォームができる | 既存の屋根に重ねるため屋根が重くなる 既存の屋根を残すため、下地の劣化の補修はできない 重量のある瓦など、屋根材によっては施工できない |
屋根重ね葺き工法(カバー工法)の費用相場
ここでは、ゼファンで実施した重ね葺き工法の費用相場をいくつかまとめています。
そのほかにもゼファンでは、重ね葺き工法の事例を多数掲載しています。
費用相場の把握だけではなく、葺き替え工事と比較するうえでも参考にしてください。
屋根重ね葺き工法(カバー工法)ができる屋根材・できない屋根材
屋根重ね葺き工法が施工可能な、主な既存屋根材は以下の通りです。
- スレート
- ガルバリウム鋼板
- トタン
- アスファルトシングル
ただし、下地となる既存屋根材の劣化具合が激しい場合は、屋根材をそのまま交換しないと危険です。
その場合は、重ね葺きではなく葺き替え工事が推奨されます。
また、和瓦など、重ね葺きできない屋根材もあるので詳細は屋根修理業者に問い合わせてください。
屋根の葺き替え工事費用を安く抑えるコツ
屋根の葺き替え工事は、以下に挙げるコツを事前に把握しておくことで費用を抑えられます。
- 複数業者の見積もり金額を比較する
- 屋根材の価格と工事ごとの費用相場を把握しておく
- 補助金制度を利用する
依頼する業者を決める前に、費用を安く抑えるコツもしっかり把握しておくことをおすすめします。
複数業者の見積もり金額を比較する
費用相場を比較する意味でも、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
一社のみの依頼では、適正な工事費用の業者を見逃してしまうかもしれません。
着工時期や日数なども含めて、複数の業者を比較しておくのがおすすめです。
また、極端に安い金額を提示してきたり、見積書の内容に詳細が書かれていなかったりといった業者は、悪徳業者の可能性が高いので注意しましょう。
業者としての信用度を測るためにも、複数業者に見積もり依頼を出すのは必須といえます。
屋根工事の相見積もりについての詳細は、以下の記事で解説しています。
ゼファン|失敗しない屋根工事の相見積もり!見積もり業者を選ぶ基準や手順について解説
屋根工事業者の選び方について解説している以下の記事とあわせて、ぜひ参考にしてください。
ゼファン|屋根業者選び。何を質問すると見分けられる?工事前後の懸念とともに紹介
ゼファン|初めて屋根工事を依頼する方必見!業者の選び方や依頼するタイミング
屋根材ごとの費用相場を把握しておく
張り替える屋根材によって、費用相場が異なることを把握しておきましょう。
ゼファンで使用することの多い屋根材と、それぞれの費用相場を以下にまとめているので参考にしてください。
ケイミュー社 ROOGA雅
平米単位の目安:17,500円(税抜)~/㎡
※屋根工事のみの単価
(雨樋工事・足場工事・諸経費・交通費など除く)
ケイミュー社 ROOGA鉄平
平米単位の目安:17,500円(税抜)~/㎡
※屋根工事のみの単価
(雨樋工事・足場工事・諸経費・交通費など除く)
ケイミュー社 ROOGA鉄平(メタル)
平米単位の目安:16,500円(税抜)~/㎡
※屋根工事のみの単価
(雨樋工事・足場工事・諸経費・交通費など除く)
ケイミュー社 カラーベスト遮熱グラッサ
平米単位の目安:14,000円(税抜)~/㎡
※屋根工事のみの単価
(雨樋工事・足場工事・諸経費・交通費など除く)
ケイミュー社 カラーベストコロニアルグラッサ
平米単位の目安:13,500円~/㎡
※屋根工事のみの単価
(雨樋工事・足場工事・諸経費・交通費など除く)
また、ゼファンでは屋根葺き替え工事の事例を多数掲載しています。
費用相場の参考にしてください。
補助金制度を利用する
火災保険を適用できる場合であれば、葺き替え工事を対象とした補助金制度を利用できます。
葺き替え工事の際に利用できる補助金は、以下の2種類です。
- 耐震リフォームに関する補助金
- 省エネリフォームで使える住宅特定改修特別税額控除
それぞれ、受け取れる条件と金額が異なるので、補助金を利用して葺き替え工事の費用を安く抑えたい方は以下の記事を参考にしてください。
ゼファン|屋根の葺き替えで受けられる補助金とは?その条件や金額、手続きを簡単に解説
屋根葺き替え工事のメリット・デメリットと施工の流れ
葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を葺いて改修する工事を指します。
屋根材だけでなく「野地板」や「防水シート」などの下地を取り替える工程も葺き替え工事の工程に含まれています。
葺き替え工事のメリットとデメリットについては、以下の記事を参考にしてください。
葺き替え工事は、以下の流れで進んでいくのが一般的です。
- 足場の設置
- 既存屋根材の撤去
- 下地板の設置
- 防水シートの貼り付け
- 新規屋根材の設置
- 板金・雪止めの設置
- 足場の解体
工程に関しては、既存屋根材の状態や交換する屋根材によって多少変動します。
日程も、屋根の状況に応じて1週間から10日前後かかると見積もっておきましょう。
また、葺き替え工事をすべきタイミングをいつにするか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
葺き替え工事は、屋根材の劣化が気になったタイミングで一度業者に問い合わせてみましょう。
雨漏りや屋根材の割れ、棟板金が浮いていた場合も、葺き替え工事が推奨されるタイミングです。
屋根重ね葺き工事(カバー工法)とは異なり、建物の崩壊が懸念されるといった状態でなければどんな屋根でも施工できるのが葺き替え工事の特徴です。
自宅の屋根が劣化しているような気がすると不安に感じた方は、葺き替え工事の実施を前提に業者に一度問い合わせてみましょう。
まとめ
今回は、葺き替え工事の費用相場について解説しました。
屋根葺き替え工事は、交換する屋根材の種類や既存屋根材の状態によって、施工費用が異なります。
今回紹介した事例を参考に自宅の屋根材をみて、どの程度の費用がかかるのか把握しておきましょう。
また、屋根葺き替え工事を依頼する際は、重ね葺きとの違いも覚えておくことが大切です。
屋根葺き替え工事をすべきか重ね葺き工事をすべきか、悩んでしまった際の相談はぜひ一度ゼファンに問い合わせてください。